名所訪問

「 奥日光 湯ノ湖 ・ 湯滝 」


かうんたぁ。


湯ノ湖は、北東にある日光連山の一つの三岳の噴火により出来た、堰止湖である。
標高1478mにある湖で、奥日光にある滝の中で、最上部に位置する。
周囲二キロ八百メートル、最大水深は十二メートルで、 日光白根山からの水に加えて、湖畔にある日光湯元温泉からの湯が流れ込んでいる。
山からの土砂流入により、 水深が浅くなり、湿地化する危険があったが、浚渫工事でその危機を回避した、という。
湯滝は、湯ノ湖の南端から流れ下る、高さ70m、幅21mメートルの滝である。
華厳の滝と竜頭の滝とともに、奥日光三名滝の一つとされている。


◎ 湯ノ湖

6月11日に訪れると、湖面でマス釣りをする人がいた。 
明治時代まで、湯ノ湖や中禅寺湖には魚はいなかったが、明治時代にヒメマスなどが放流された。
6月1日より、釣りが解禁されたため、釣り人の姿が見られた。
湖畔の樹木は緑を増し、生き生きした風情で、湖面にその緑が映えていた。
林に入ると、倒木した樹木が腐り、白いカビが付着しているところに、 睨めつける目の石仏が座っていた。
一人で湯ノ湖や林を守ってきたような歴史を感じさせるものだった。

解禁になった湯ノ湖   緑溢れる湯ノ湖   苔蒸した仏像
解禁になった湯ノ湖 緑溢れる湯ノ湖 苔蒸した仏像

秋が訪れると、風景が一変する。
10月15日に訪れた。
湖面に接する樹木は赤・橙色・黄色に紅葉し、それに常緑樹の緑色が加わり、 多色の風景。 それが湖面に映っている。
どこを見ても、紅葉 紅葉 のオンパレートである。
「 美しい!! 」 の一言である。

紅葉の湯ノ湖   紅葉の湯ノ湖   光あふれる黄葉
紅葉の湯ノ湖 紅葉の湯ノ湖 光あふれる黄葉

冬の湯ノ湖は場所により、姿が違う。
12月24日に訪れると、湖の出口近くは凍結していた。
湖面に面した樹木には湖の水が風で付着し、それが樹氷のように凍っていた。
鳥が二羽、向い合ったように見える、氷の造形があった。

凍結した湯ノ湖   樹氷化した姿   鳥の羽根のような造形
凍結した湯ノ湖 樹氷化した枝 鳥の羽根のような造形

湯川に通じる湖口は、凍結した湯ノ湖の下に流れる水が流れ出ている。
そこに張り出した枝が凍り、色々な形を造っている。
水は泡出しながら、流れていた。
積もった雪が流れの方に張り出していて、それが凍ったのがつららになっていた。
石などの上に積もった雪が氷に変わり残っていて、その脇を水が流れていく。
氷と水の色々な姿が見られて、しばしの間、それを見つける作業を続けた。

氷と水の流れ   雪庇が造り出したつらら   雪が凍って氷になっている
氷と水の流れ 雪庇が造り出したつらら 雪が凍って氷になっている

湯ノ湖の北岸の北部には日光湯元温泉の温泉街がある。
その北部に温泉寺があり、その右手に温泉が湧出している場所がある。
12月16日に訪れると湧出口は複数あり、一帯は雪で覆われていたが、 屋根のある家形の中では湯が噴き出していた。
小屋からこぼれた源泉は、硫黄分を含むので、青かかった白色の固形物が地面に出来た窪みの上に 浮いていた。
この地区は蒸気が漂い硫黄独特の匂いがする、特別の場所であった。

湯ノ湖の北岸は湯元泉の湯が流れ込んでいるので、冬も凍らない。
北に帰らなかったカモなどが水中にもぐり、餌を探している姿を見かける。
2月20日に訪問した時は、コハクチョウと思える鳥が一羽、湖にいた。
周りに音はなく、きりりとした空気のなかで、静寂が感じられた。

源泉小屋   流れ出た硫黄分   冬の湯ノ湖
源泉小屋 流れ出た硫黄分 冬の湯ノ湖


◎ 湯 滝

湯滝は、湯ノ湖の南端から湯川に通じる、落差七十メートルの滝である。
源泉は日光白根山で、その水は湯ノ湖となり、そこから斜面を滑り降りるように、流 れ下る水が湯滝である。
湯元温泉の湯が流れ込むことから、その名が付いたとおもうが、滝に流れるのは水である。
湯滝を流れ落ちた水は、日本有数の高層湿原「戦場ヶ原」を流れる湯川となって、 竜頭の滝を下って、中禅寺湖に流入する。
滝の斜面を構成する岸面は、湯ノ湖を誕生させた三岳の溶岩である。
滝の下部は左右に二股に分かれている。
滝の周辺にはミツバツツジやシャクナゲがある。
滝の側面には遊歩道が設けられていて、落ち口・滝壺・側面の三方から、滝の姿を鑑賞できる。
1月11日に訪問。 滝の落ち口を見ると、しぶきが当たる樹木の枝が凍っていた。

新緑の湯滝   紅葉の湯滝   冬の湯滝
新緑の湯滝(滝壺) 紅葉の湯滝(側面) 冬の湯滝(落ち口)



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