最近の堀削技術をもってすれば、何処でも湯を掘り出せるという人がいます。 その話が本当だとしたら、県南でも茨城県や埼玉県にも温泉がでる筈です。
確かに、この3年くらいに茨城県の市町村や埼玉県の民間業者が堀削した温泉が、増えているのは事実です。 また、1km1億円で地下が掘れるといわれる値段も下がっているらしいです。
しかし、温泉には出る条件があり、出ない所はあるものと信じています。
温泉が湧出している場所を見ますと、
鬼怒川・那珂川という水量豊富な河川が分布している場所やその伏流水が、分布しているところが多いように思われます。
県南地区、特に、小山市から足利市にかけては、冷泉はあるが温泉はありません。 これらの地区は、水不足の話題の多い渡良瀬川流域にあり、また、そこに合流する思川流域にも、温泉はほとんどありません(冷泉はありますが)
最近堀削された温泉の泉源地の近くに日本酒の蔵元が多いですが、相関が有るような気がするのですが、いかがでしょうか?
「塩原は太古(約2万年前)には海であった。今でも魚や貝の化石が出土する」と聞きますが、塩原地区やその流域に塩化物泉が多いのは、古代の地質と関係があるからではないでしょうか。
バブルの最中、他県(特に茨城や埼玉)の設備投資は、ハコものが主体だったような気がします。
当県民は、ハコものを望まなかったのではないでしょうか。 その証拠に、県庁の建て替えでも思うように進んでいません。
市町村の金は、町民の了解の取れる、隣町と横並びの温泉に投資されたのではないでしょうか?
ハコものに投資した茨城や埼玉の市町村は、文化、芸術、教育などの分野の充実に使われたことになりますが、どちらの投資が良かったのか?
………などと考え、悩んでいます。
( 2002年1月 )