山間部では、寒い北風が容赦なく吹き、雪も降って、さむ~い冬の季節に突入しました。
人が住む里でも木枯らしが冬の到来を知らせ、霜の下りる日や水が凍る日が増えてゆきます。
12月に入ると、奥日光に足を踏み入れる人はほとんどいなくなります。
奥日光の樹木は葉を落としてしまい、寒風にさらされるようになりました。
雪も何日かに1回の割合で降り、溶けないで少しづつ残るようになると、樹木の枝にも凍りついた雪をかぶり、寒々とした風景に変貌して行き、
奥日光は、このまま、なが~い春までの冬眠に入るのです。
このように殺風景になった奥日光ですが、なにかに出逢えるのではないかと、淡い期待をもち、カメラをぶら下げて小田代ヶ原まで貴婦人に会いに訪れます。
バスはなく、入る道路も一般車は通行できませんので、歩くしか方法はありません。
赤沼駐車場に車を置いて、林の中を歩いて行きます。
戦場ヶ原から小田代ヶ原へ続く林はすっかり葉を落とし寂寞とした風景になっていますが、青空を背景に木の枝が太陽で輝いてみえ、大変美しいです。
雪は多くは降りませんが、北風が強いので舞いながら、目や口に容赦なく入ってきます。
雪道で身体に汗をかく頃、小田代に到着です。
そこには人が来るのを待っているのかのように、”貴婦人”と呼ばれる白樺が立っています。
1本だけ凛と立っている貴婦人の姿は威厳があるというか、1人で淋しそうというかどう表現したらよいか分かりません。
訪れるひとがだれもいないので、ただ一人、木と対話します。
自分の感情が表現になる不思議な世界です。
まわりを見渡すと、まだ赤い実を残している木を見付けることができました。
小鳥が食べ忘れた木の実なのでしょうか? それとも、まずい? から ・・・・・
光徳沼は道から歩いて簡単に入れます。
沼には、鴨(かも)が”わがもの顔”でいるので、少し小憎らしいが、許してあげましょう。
谷地坊主は完全に枯れてしまい、樹木も葉を落として静まりかえっています。
冷えた風のない朝には、周辺の樹木に、樹氷が発生することがあります。
氷点下10℃位にならないと無理かもしれませんので、最近の暖かい12月ではまず無理かもしれませんが、こればかりは神様のおぼしめしですから予想できませんね!!
(樹氷は、沼に地下水が湧いているので水蒸気が発生し、樹木についたのが凍ったものです)
風があると寒くても結氷しません。 年に数回あるかのチャンスですから、出逢われたら幸運というものです。
少し離れたところですが、丸沼に行くと晩秋というか、初冬の風景に出会えます。
なお、金精道路が12月下旬には閉鎖になります。
沼のほとりの丸沼ホテルは、はやばや店じまいしてしまっているので、付近には人影がありません。
しーんと静まりかえった丸沼の対岸には葉を落としたダケカンバの林が横たわり、茶褐色のグラデーションはインパクトが強く、印象深く感じます。
帰りは登り坂になるのですが、日陰で凍っていたため スタットレスタイヤをはいていたのですが、上れずチェーンを巻くはめになってしまいました(チェーンがあってよかった)
このような経験をしたこともありました。
金精峠から男体山に昇る朝日を撮したことがあります。 湯の湖にわずかの日の光が映っている夜明け時はシャッターチャンスです。 しかし、一番温度が下がる寒い時間でもあり寒い寒い。 そうした時、ポッカイロは役に立ちますね!!
霧降の滝は、この時期には、すっかり葉を落とし、樹間から滝の全貌があらわれてきます。
赤茶けた岩肌に白く落ちる滝は冬を告げているようです。
霧降の滝より上にある霧降高原一帯は風をまともに受けるせいか、凍結が早いのです。
早朝、朝日をとりに行きましたが、ロープウエイ付近で数mスリープしたという怖い経験をしました。
以上が、12月の日光です。
塩原渓谷の紅葉は県内観光地のなかでは遅いほうですが、12月に入ると、2~3週間前までの見事な紅葉だった樹木が、すっかり葉を落とし、冬枯れ風景に変わってしまいます。
紅葉で混んでいた温泉街もすいてきます。 温泉街が、年末年始の休みまでの客集め対策として始めたのが、忘年会客を集めることでした。
宇都宮や都市部での忘年会ではアルコールの入った後は運転代行のお世話になっていました。 しかし、この料金が馬鹿にならない。
酒気帯び運転の罰金も高くなり同乗者も対象になるなどから、会社も泊まりがけの忘年会を奨励しています。そんなことで、最近は温泉に泊まり、酒を十分にいただき、温泉に浸かって一年の疲れをとろうとする忘年会が増えてきています。
旅館の設備のしっかりした風呂もよいですが、地元の人が入る共同湯も乙なものです。
鬼怒川の縁にある共同湯 不動の湯や岩の湯は着替えをする場所もない吹き曝しですが、その中で入る湯も自然そのもの(右写真は岩の湯)
混浴なので誰でもとはいえませんが、なにせ、コイン2つで入れますからね!!
塩原から山を越えた先にある会津西街道もそろそろおさらばです。
南会津に行くのに利用する道ですが、これからはスキー客で混み合いますが、写真になる風景は2月すぎまで出番がないのです。
那須連峰はそれほど高度はないが、軽い気持では遭難しかねない山です。
茶臼岳と朝日岳の間にある峠の茶屋付近からの風が強く、時には吹き飛ばされそうになるからである。 登るにはアイゼンなど氷に強い冬山装備でないと危険です。
三斗小屋温泉も正月は営業するが、それ以外は閉鎖され、春まで営業されません。
氷が風に晒された俗称、”えびのしっぽ”を撮りたいと思うが、ロープウエイーも休止しているし、雪解けまでは写真撮影はお預け!!
とはいえ、大丸温泉付近にはちいさいけどスキー場があって、けっこう賑わっています。
那須温泉は、この時期はすいているので、のんびり湯に浸かるには絶好の時期です。
特に、大丸温泉の露天風呂で雪の中で入るのは幻想的でよいものです。
板室の公共日帰り温泉もよいですね!!
ただ、板室付近は山の陰にあるせいか、冬がくるのが早いような気がしますが・・・・
写真は日本百名水に選ばれた塩谷町にある尚仁沢(しょうじんざわ)の湧水です。12月23日に汲んで自宅で使いましたが、みそ汁やコーヒーの味が違うからさすがですね!!