県内は15日前後から、梅雨をむかえますが、奥日光は標高が高いので、梅雨の影響はあまり受けません。
日光市内で、雨が降っていても、いろは坂を登って行くと、霧(下から見ると雲なのです)。 それを抜けて、戦場ヶ原まで行くと、晴ているというようなことが往々にあります。
先月お話したように、新緑は5月終わりまでに竜頭の滝まできていますが、戦場ヶ原の樹々が若葉になるのは6月上旬です。 新緑は、淡い色から濃い色へと段階を経て、一日一日と色濃くなっていきます。
この時期になりますと、平日でもハイカーの数が増え、本格的な夏山シーズンを迎えます。
また、全国からの中・高生が、修学旅行で来て、ハイキングする姿を見かけるのもこの時期からです。
小田代ヶ原行きの早朝バスが、土・日、祝日に走るようになり、霧が出る夜明けの風景を撮ろうと首都圏からカメラマンが集まってきます。
ズミの花は、5月下旬ごろ開花しますが、きれいなのは6月に入ってからです。 ズミは湿地帯に棲み、水分を吸収するので、湿地帯を保護する立場からは除去しなければならない植物ですが、リンゴのようなきれいな花が咲きます。
光徳沼や光徳牧場付近にはズミが多いので、辺りが白く彩られ、ぱーっと華いた雰囲気になります。
また、戦場ヶ原遊歩道の湯川の水に映った姿もすてきです。
ふわっとしたワタスゲの姿は、戦場ヶ原の名物でした。 ワタスゲは、一時、シカ害によりほとんど姿を消してしまいましたが、手厚い保護により少しずつ増えてきているようです。
生えている場所が遊歩道からかなり遠いので、目近で見られないのが、残念ですが ・・・・
千手ヶ浜から西の湖にむかう途中に、自生のクリンソウが咲いているところがあります。
クリンソウは、五重塔の先端部にある九輪に形が似ていることから、命名されたそうです。
クリンソウもまた、シカの害に遭っていましたが、シカ対策の結果、数が増えてきました。
クリンソウを簡単に、しかも、多く見るには、ハイブリットバスに乗って、千手が浜まで行きます。 そこでは、湖岸の民家が育てた花に出会えます。
それは見事なもので、一見の価値があります。
湯湖の湖岸から湯滝に向かう遊歩道も新緑で、すがすがしい気分で歩けます。
ますをルアーで釣っている人が多いですが・・・
鳥のさえずりを聞きながら、ところどころにあるつつじを遠目に見ながら、歩いて行くとあっという間に湯滝に到着できます。
一服後、小滝を経て小田代ヶ原へ足を運びましょう。
途中のカラマツの緑がすばらしいですよ!!
また、霧降滝駐車場から霧降高原へ向かっての登山道も滝あり、名も知らない花ありと、自然にたっぷり浸れます。
名物の日光キスゲは、6月末〜7月開花ですので、少しそれには早いですが、トレッキングには暑くなく1番の季節です。
これから8月上旬までが日光の花達のシーズンです。
高山植物は、小さくて、見栄えしないものも多いですが、精一杯、短い夏を送ろうとしています。
足もとに目をやってそのような植物を観察してください!!
なお、手軽に花をご覧になりたい方は、日光植物園をおすすめします。
この時期、シライトソウ(写真参照)、ヤグルマソウ、ヤハタソウ、サンショウバラ、ヒオウギアヤメ、ムラサキヘイシソウ、センダイハギ、クリンソウ、コウホネ、などなど、いろいろな花に出逢えます。
県内で見られるつつじは、シロヤシオツツジ、アカヤシオツツジ、トウゴクミツバツツジ(中部以西にある種類とは異なる)、山躑躅(正式にはれんげつつじ)です。
シロヤシオツツジは、ゴヨウツツジともいわれ、皇孫・愛子様のお印に選ばれました(右写真)
なお、県の花はヤシオツツジです。
那須のつつじの名所は、八幡温泉付近です。
レンゲツツジの群落で知られ、見やすいように遊歩道も整備されています。
高雄温泉付近でも見られるそうですが、私は残念ながら、行ったことがありませんので、確認していません。 また、高雄温泉跡に混浴の露天風呂が一部の人に知られているようです。
沼原近辺にもつつじは咲いていますが、数は少ないですね。
バスなどの公共手段のない八方ヶ原(矢板市)には、いろいろなつつじがあります。
5月下旬にはトウゴクミツバツツジが咲いていますが、それを追うように、れんげつつじが開花します。 戦後、八方ヶ原へ開墾の手が入ったが、レンゲツツジには毒があるので、牛、馬が食べず生き残ったのだそうです。
大間々園地から、順次、上にある展望台に向かって咲いて行きます。 見頃は上旬〜中旬。 また、一部、シロヤシオツツジも見られます。
新緑の深くなって行くこの時期、学校平から雷霆の滝やほうこうへきれきの滝まで、写真を撮りに行きます。
すばらしい滝としては、雄飛の滝や仁三郎滝があるのですが、数年前の集中豪雨による山崩れで通れなくなりました。
県の計画では平成13年に開通となっていた工事もやっと終わり、遊歩道が開通したようです。 塩原の滝の中ではスケールが大きいので見る価値はありますが、トレッキングの装備で行った方が安全です。
奥日光や栗山、藤原などでも、山つつじが見られます。
栃木の緑を愛でながらのドライブと日帰り温泉を楽しんでください。
全国でやまつつじといわれるもの。色や形がいろいろあるような気がします。
私は、山つつじ=レンゲツツジと思っていましたが間違っているのでしょうか?
お分かりの方は掲示板にご一報いただければよいのですが ・・・・・・・
ここ数年、全国の寺・神社では、紫陽花を植えて、観光の目玉にするところが増えてきました。
しかし、栃木市の大平神社はここ数年の歴史ではありません。
季節になると、茶屋がでて、一服しながら花を愛でることができます。 また、霧が立ちこめた風情はなんともいえず良い風情です。
紫陽花は栃木農業高校の生徒の奉仕活動で管理されているものです。
東北自動車道の栃木ICから近いので、首都圏からの観光客で賑わいますね!!
紫陽花を観賞されたら、市内に行かれて、蔵の町を見学されたらいかがですか。
栃木は、江戸末期から明治時代にかけて巴波川の舟運で栄えた町。 川沿いには100軒もの船積問屋が軒を連ね、その内側には多くの豪商の蔵が建っていました。 今でも、巴波川を挟んで、倉の街が残っています。 塚田記念館や横山郷土館など、屋敷を公開しています。 また、5年毎に開かれる祭の山車を展示した展示蔵もあります。
近竜寺には栃木出身の「路傍の石」の作家、山本有三の墓があります。
巴波川の柳が風で揺れるのを感じながら、長く続く黒塀と蔵を眺めるだけでも、旅に来た感傷に浸れるのではないでしょうか。
県内にはもう1ヶ所、黒羽町にあじさいの名所があります。 黒羽城趾公園です。
紫陽花は5000株あり、いろいろな色でにぎやかです。 6月下旬から7月上旬まであじさい祭が開かれます(右と左下写真)
黒羽町は鮎とそばがうまい町です。 また、芭蕉とゆかりがあるのです。
黒羽城は、天正4年、大関高増によって築かれました。 黒羽藩1万8千石の居城です。
隣には、芭蕉の館(奧の細道で訪れた芭蕉ゆかりの資料と黒羽の歴史資料を展示)と大雄寺があります。
大雄寺は、大関家の檀那寺であり、総かやぶきの屋根をした室町時代の様式を残す禅寺です。
5月のボタンやしゃがで有名です。
黒羽城趾公園の向側には、五峰の湯という日帰り温泉施設がありますが、露天風呂からの那須岳〜日光連山に連なる山並み(即ち5峰)の眺望がすばらしいので、入湯されたらと、おすすめします。