3 月 

日光や那須の山の樹木はまだ冬眠中。 積もった雪も風に晒され汚れた風貌になり、日ごとに溶け衰え、惨めな姿を晒しています。
しかし、里山や公園には春が確実に近づき、日を追う毎に咲く花の数を増やしていきます。
都心ほどではありませんが、栃木県にも春は着実に近づいています。
そして、月末から4月の始めには桜が咲くことでしょう!!


せつぶん草

せつぶん草 春を告げる花といわれる節分草は、2月に咲く花ですが、栃木市郊外の星野地区では3月上旬まで咲いていることが多いようです。 
この花は強いアルカリ質を好むので、セメントが採れるような石灰質の土壌をしたこの林は適地なのだろう。 
地元の人たちの努力によるのでしょうが、この林には、色々な花が咲いています。 上旬〜中旬には、梅が咲き、サンシュウ、ミツマタやマンサクも咲くでしょう。  下旬になると、規模は小さいですが、カタクリやアズマイチゲに出逢うことができます。 
それほど広い面積ではありませんが、一度行ってみる価値はあると思います。
場所ですが、栃木市の北西部です。
栃木インターから国道293号へでて、尻内町交差点を右折し、しばらく走ると三叉路にでます。 右折して少し行くと、左側に入る細い道がある。 その奥に公民館があり、そこに車を置いて、数分で目当ての林にいけます。 途中で、2又に分かれます。  右の方に向かって、しばらく行くと、左手の細道を入った公民館の近くにあります。 期間中は臨時駐車場もできます。
三叉路を左に行くと、出流山満願寺へ参ります。 帰りには満願寺の手前にある出流そばに寄り、おいしい蕎麦を食べてお帰りください。
なお、尻内町交差点から三叉路までは石材を搬出するダンプが多いので注意して走ってください。


梅の花

梅の撮影は難しいですね!!  プロの写したのも素人とそれほど変わらないような気がします。
地味な花なので、花だけの写真は変化に乏しいような気がしますが、そのせいかもしれませんね!!
関東には水戸の偕楽園、群馬県安中市の秋間梅林というように有名な梅の名所がありますが、当県にはないようです。
西渓園 両毛地区、足利や佐野方面に行かないと、梅そのものを見かけることが少ないような気がします。 
これまで行ってよかった場所は西渓園(足利市)です。 
山の上から見下ろすと白い花が一面に広がっていて、これだけのスケールの場所はあまりないように思われます。
この梅林は、”某社の創業者が社員子弟の奨学金の源資のため、山の斜面に梅を植え、その実を売って捻出することにした”と聞いています。 今でも、会社OBによるボランティアで管理されているようです。
ただ、場所は分かりずらいところです。 地元の人さえどこにあるのか知らないという、梅見の穴場なのです。
西渓園 織姫神社の裏側に位置しますが、車の場合、入口が分かりずらいので、織姫公園へ登り、駐車場に車を置き、峰づたいに歩くことをお勧めします。
行道山へのハイク道を1km〜2km歩くと、梅林を見下ろせる場所にでますので、そこを降りていきます。
そこからの撮る写真がスケールの大きなものになります。 ここの梅は食梅なので、クローズアップ(下から見た梅)はそれほど美しくありません。
帰りには、足利学校やばんな寺界隈を散策され帰られることをおすすめします。


カ タ ク リ 

カタクリ ”春の妖精”といわれるカタクリの花。 
きりっと跳ね上がった紫の花は、小さいがなんとなくキュートで、おしゃれっぽいですね。 
私は、この花を見ると、春もかなり来たなあと感じます。 
桜より早く咲きますが、春を呼ぶ花としてはしんがりに近いのかも知れません。 
ご存知でしょうが、カタクリは多年草で、根が片栗粉の原料になります。 
また、小さなころ、病気の時飲された葛湯とか、菓子のくずきりなどは最近では目にかかることが数少なくなりました。
(最近の片栗粉は、コストの面で、ジャガイモの澱粉が使われているようですね)
カタクリは、花を咲かすのに6〜7年ほどかかるといわれます。 
地下には花の数倍の根があるのですよ!! 
 万葉自然公園かたくりの里 
栃木県、否、関東で最大の規模を誇るのが佐野市にある”万葉自然公園かたくりの里”です。 
万葉集に「みかもの山にいでし月かも」と読まれた、三毳山(みかもやま)の北斜面に、約1.5haの規模のカタクリの群生地があります。 
山の斜面に咲き誇る紫色の群落は見事の一言です。
また、隣接して白色のアズマイチゲが競うように咲きます。
カタクリは、太陽の光で花びらを徐々に開き、正午過ぎには反り返ってしまいますので、形がきれいなのは10時から正午ごろです。 
カタクリを鑑賞し、アズマイチゲを見て、更に上に登ると高速道路も見下ろせる場所にでます。 その辺で弁当を拡げてられる方が多いようです。
更に尾根づたいに行くと、県営みかも山公園まで行けます。(ハイキングコースになっています)
写真撮影は、8時半から10時ならゆったり摂れます(但し、3脚が他人の邪魔になりますので注意して)
首都圏に近く、ICからすぐなので、開花期間には大勢のお客様が殺到し、駐車場付近で渋滞が起きます。 
花をゆっくり鑑賞したい方は、土・日は避け、平日に行かれるとよいでしょう。
(場 所) 佐野市町谷町
     県道桐生岩舟線(旧50号)にあり、JRまたは東武佐野駅から車で20分のところ。
     東北自動車道佐野藤岡ICからは混み方で違いますが、10分〜20分。
     開花時期   3月下旬〜4月上旬(昨年は3月16日〜24日が見頃でした)
     開花の問い合わせは,観光協会 0283−20−2223 にされると確実でしょう。
なお、カタクリを見たら、市内に入り、佐野ラーメンでお腹を満たすのも良い。
佐野厄よけ大師に詣り厄よけを祈願するのもよいでしょう。 前の物産館でお土産を!!

 カタクリ山公園 
県北東部の旧小川町。 合併で名が変った那珂川町の三輪地区にあります。
カタクリ どちらかというと、人工的につくられたものと云えそうですが、地元のひとたちが時間をかけて増やしてきたものです。
面積は2ヘクタールということなのでかなり広いです。 年々花の数は増えていますが、佐野ほどにはまだなっていません。
オープンしてまだ日が浅いこともあり、訪れる人が増えていますが、佐野のような馬鹿混みはないので、ゆったり鑑賞できます。
奥部には、水芭蕉(4月上旬〜下旬)や座禅草(2月上旬〜3月下旬)が咲く湿地帯もあります。
鑑賞後は、町内にオープンした 日帰り温泉施設「もほろばの里 湯親館」(入湯料500円)でお湯に入り帰宅するとよいだろう。
小川地区には駒形大塚古墳、那須官衙遺跡をはじめとする国指定史跡があり、馬頭地区には同じく国指定史跡の唐の御所をはじめとする多くの史跡が残されています。 興味があれば寄られるよいでしょう。
(場 所)那須郡那珂川町三輪地区(国道293号より三輪地区に入る)
     JR宇都宮線氏家駅から東野バス馬頭行きで40分。
     東北自動車道矢板ICまた宇都宮ICから国道293号で喜連川経由、那須小川CCを通過したら近い。
     町の入る手前、三輪で旧道へ、案内に沿って行く。
     開花時期   3月下旬〜4月上旬(年毎に違う)
     開花の問い合わせは、山野草保存会 0287−96−4929 まで。

 星野自然村(民営) 
栃木市郊外、三峰山の麓に星野自然村があり、カタクリやショウジョウバカマなどの草花を大事に育てています。
特にカタクリは身近に見ることができます。 花期は、3月下旬〜4月上旬。
(但し、根を踏むな!など、うるさいのが玉に傷です。鑑賞者のマナーが悪いのが原因でしょうが) 
民営で、食堂とキャンプ場を経営しており、郷土料理と手打ち蕎麦がいただけます。 手打ちソバは大変うまく、お客さんに好評のようです。
駐車場は、手前にありますが、台数は少ない。
(場 所)佐野ICの出口を左折、国道293号に入り足利方面に向かう。
数百メートル先の尻内町交差点で右折し、しばらく走ります。途中で、2又に分かれます。
左に行くと、"出流そば"で有名な出流山満願寺(いずるさんまんがんじ)に行きますが、右に行く。 
しばらく行くと、右手に星野遺跡記念館があります。近くに、石器時代の遺跡があります。
”星野自然村”は更に奥です。


遊 水 地 の 野 焼 き

野焼き 渡良瀬遊水地は足尾銅山の鉱毒を取り除くために設けられた沈殿池で、水を浄化する力があるといわれる葦が自生しています。 枯れ草を焼くことにより害虫を駆除するとともに丈夫な葦を生むのが狙いで、野焼きがおこなれています。
地元ではこれを使ってよしずが編まれてきました。 野焼きはこうした加工業者の手を煩わし行われてきたのです。 しかし、近年、外国からの安い輸入品が入ってきたため、販売数量が減り、廃業者も出てきました。 その結果、野焼きの回数は大幅に減り、開催日が分らないと見ることは出来ません。
野焼き 小生も下野新聞の予告記事を見て、野焼きを見に行くことができたという訳です。
写真をうつしに行ったのですが、監視員が縄を張って陣取っていますので、現場には近寄れませんでした。 望遠中心の撮影となりましたが、めらめらと燃え、ごうごうといって燃え盛る火には迫力を感じました。 
あっという間に燃え尽き、どんどん場所を移動していく光景は映画を見ているようでした。 終わった後は火事場の風景、鳥の巣にいたひなや住んでいた小動物はどうなったのかと気になりました。








かうんたぁ。