5 月 


日 光

ツツジの群落 皐 月(さつき)の5月。   日光にも遅い春が訪れます。
春は遅れを取り戻すかのように、下から上へとかなりのスピードで駆け上って行きます。
ゴールデンウイークの頃、 霧降の滝の駐車場の奥のつつじヶ丘では、きれいなツツジの群落が花を咲かせます。 
種類は分かりませんが、大株のつつじです (右写真) 
こぶしの花も見られ、山桜も咲いていることもあります。


滝壺から見た霧降滝 駐車場に車を止め、霧降滝展望台に向かって歩いて行くと、
道上の樹々の枝が淡い緑を成し、春を感じさせてくれます。
霧降滝には、滝壺に降りて行けなくなってかなりになります。
降りることが出来た時代には、
滝壺から見た霧と新緑の風景が大変すばらしかった
ことを昨日のように覚えています (右写真) 



六方沢の朝日 霧降の滝から、更に登った霧降高原ロープウエイの駐車場あたりは、夜明けの風景が印象的です。 
徐々に明るくなって、眼下に見える家の灯りがだんだん見えなくなっていくころ、雲が焼けてきて、太陽が昇り始めます (右写真) 
山並みから出る太陽は印象的ですよ!!



六方沢のヤシオツツジ 連休が終わるころから、六方沢には、早朝から多くのひとが集まってきます。 淡いピンクの花を付けるヤシオツツジが見頃を迎えるからです。 橋の上に車を止め、写真を撮る人の三脚が林立するのはこの時期です。 六方沢にかかる橋の上から眼下の斜面に沿うように咲く風景が絵になるからでしょう。  
谷底から発生した霧が途切れた瞬間に見せるヤシオツツジの姿は、はっと!!息を飲むすばらしさです。
太陽が上がるころには霧もなくなってきます。 
霧のないつつじを入れた写真は今1つインパクトがなく感じないのは、気のせいでしょうか。 それとも、実力がないからでしょうか?

東照宮参道 5月17日、18日東照宮で春期例大祭『百物揃え千人行列』が行われます。 
この祭は、家康の神霊を久能山から日光に鎮座した模様を再現したもので、昭和になって復活したものです。
流鏑馬(やぶさめ)が参道前で行われますが、通り抜けるたびに見物客から喚声があがっていました。
例年、10万人以上の人が訪れる大祭ですが、日光市民にとっては、”春を告げる”祭といわれ、この祭が終わると、日光に本格的な春を迎えます。

コウホネの花 この時期、私は、花石町にある日光植物園によく行きます。 
ここは、東大小石川植物園の分園で、4月中旬から11月まで開園しています。
白とピンクのヤシオツツジを始め、ヤマザクラ、シャクナゲ、その他の高山植物が順番に花を咲せます。 
4月中旬(開園に間に合うかどうかのぎりぎりの時期)に、水芭蕉が咲きます。 暖かい(?)のか、栄養がよいからか、分かりませんが、花(正式には苞)が尾瀬よりは大きいですね。 
水生植物としては、コウホネの花を撮りに一時期通いました (右写真) 
その他、めずらしいものとしては、ハンカチの樹の花(花のように見えるが実は新葉)を見ることができました(時期がいつだったかさだかではないのですが)
ここでは、楽しい思い出が多いですね!!
隣には、天皇陛下が戦時中疎開した旧田母沢御用邸があり、県が買い上げ記念館(博物館)に整備して、開館したので、大変賑うようになりました。

中禅寺湖畔の山桜 新緑は、市内からいろは坂に向かい、そして、いろは坂を下から上へと登って行きます。  新緑の葉の色は刻々と変化します。 萌葱(もえぎ)色でいられるのは、2日、3日ではないでしょうか?
この色、写真で再現するのは、なかなか難しいものです。 淡い色なので露出調整が難しく、写真写りが悪いというか、なかなかイイ感じに写ってくれません。 それはそれとして、連休明けのころ訪れた中禅寺湖畔に山桜が咲いていましたが、霧雨にぬれ、しっとりとして風情がありました (右写真) 

この時期ぜひ写したいと思っていたシーンがありました。 
華厳の滝と赤ヤシオツツジ 明智平ロープウエー展望台から、華厳の滝を背景にして、ヤシオツツジを写すことです。 
奥日光国立公園のパンフレットで見たとき、写したいと思ったのです。 しかし、その場所がどこなのか分かりませんでした。 
人に聞いたりして、その写真が撮れるのは、明智平ロープウエー展望台付近しかないということが分かりました。 
ところが、その場所には、ロープウエーを使わないと行けませんし、営業時間に制約があるので、いつでものぼるというわけにはいかないのです。
最初の年は、土日に行ったので、人が多く、写真を撮るどころではなく、失敗。
次の年は、土日を避けていったのですが、花が既に終わっていました。 
花が咲いているのは数日だけなので、タイミングが難しいのです。 しかし、収穫はありました。 
中禅寺湖を背景に華厳の滝と赤ヤシオツツジを写す それは、色々歩いて分かったのですが、ツツジと滝を入れてパンフレットのように撮れるアングルは1ヶ所しかないということ。 
その場所は崖になっていて同時に撮れるのは2、3人だけ!!ということです。
そして、3年目の、2000年5月15日。
それまでに何度もロープウエー会社に電話を入れるもはっきりしないので、出かけました。 普通の日なのでがら空き。 
展望台にはロープウエーから降りた客で賑わっていましたが、登山道に入るとしんと静まりかえっていました。 
写真のとる場所には、先客2人。 花はもうすぐ満開で一番良い状態。 ただ1つの欠点は霧がないことですが、贅沢な望みでしょう。
持っている望遠レンズの距離には多少の不満がありましたが、沢山撮って終えることができました。 
3〜4年ごしの課題が終えたという達成感を感じました。

トウゴクミツバツツジ 新緑は、5月中旬には中禅寺湖まで達しますが、竜頭の滝を登って戦場ヶ原に至るのは6月に入ってしまいます。
その前に、あざやかな花で彩るのが、竜頭の滝のトウゴクミツバツツジです (右写真) 
開花は、年により変わりますが、5月24日前後です。
日光の自然は一期一会(いちごういちえ)で、毎年否刻々変り、同じ風景になることはありません。 今日は良くても明日は全然駄目ということが多くあります。 自然を対象に写真を撮る楽しみはそこにあるのではないでしょうか?!


そ の 他

足利フラワーパークの大藤 日光以外にも、春の花が大挙して押し寄せてきます。
私のお勧めしたいのは、”足利フラワーパーク”の大ふじです。 
以前、市内にあったのを佐野インターに近い現在地に移植したもので、古株から垂れ下がる紫や白の9尺の房はまさに圧巻です。 
その他、ツツジ類も多く、モネの睡蓮の絵を模した池などあるので、楽しく鑑賞することができます。
4月下旬から5月上旬の連休中なので、混むのが難点ですが、 騙された!!と思って行ってみてください。 
きっと、驚かれること受け合いです。

それとセットになるのが、(分福茶釜で有名な群馬県館林市の)つつじが岡公園でしょう。 
公園は、 江戸時代に、松平氏によってつくられたものといわれる古いもので、日本一のつつじの名所といわれています。
つつじが岡公園樹の大きさ、樹齢そして木の本数や種類など、他を圧倒していると思いますね!! 
花が咲く時期は大ふじより少し早い。
4月下旬(5月連休まで保つかどうか微妙!!)です。
  それにしても、見学客がすごく多い。 首都圏からの観光バスが多く、駐車場がごった返すので、混雑を覚悟して行く必要があります。 
これらのバスは、2つをセットにして回っているようですので、これを利用した方が、のんびり観光できるのではないでしょうか ・・・・

県内にも、西那須野の烏ヶ森公園や鹿沼の千手公園など、 つつじやさつきを植えた公園が多いようです。 
その中でも、矢板市の長峰公園(4月10日ごろ、つつじまつり開催)は、スケールが大きく、見ごたえがありますね。
さつきの名産地である鹿沼市の花木センターでは、この時期、サツキの”盆栽市”などが開かれ、全国から愛好家が集まってきます。 
サツキを集めておられる方は顔を出されたらよいと思います。
一方、やまつつじの開花は遅く、有名な那須高原・八幡温泉のつつじは、早くても5月中旬以降であり、八方ヶ原にいたっては6月に入ってからです。

九尺藤は今市市内にもあります。 フラワーパークの藤を見てしまいますと、スケールが違うのですが、今市付近では有名なところです。

私は、この時期、新緑を求めて、五十里湖(いかりこ)、そして、川俣湖、奥鬼怒へ出かけます。 
山裾に山桜が咲いていたり、山吹やつつじがあったりして、春の訪れを感じながらドライブができます。 
途中で、手打ちソバ(栗山のソバはうまい)を賞味し、帰りに温泉に浸かって帰るのが定番になっています。 
山の春は短く、すぎていってしまいます。 せい一杯背を伸ばそうとしている木々を眺めながら、行く春を楽しみませんか!!
発電所の春山 桜










かうんたぁ。