11 月 

11月に入ると、紅葉前線が山から里へ下りてきて、県内の至るところで、すばらしい紅葉風景にめぐり逢うことができます。
一方、山間部では、霜が降り雪も降り始め、長い冬へ移行していきます。 
あれだけあった葉もすっかり落ちてしまい、秋から冬への季節の移ろいを感じさせる時期に入りました。 
奥日光にいた鹿は移動し、猿にとっては寒い冬に備えて、食料を食べあさる毎日が続きます。
しかし、県内の各地は秋たけなわです。
あなたも、残された秋を求めて、栃木の旅をされては如何ですか?


日 光

奥日光    唐松の黄葉が終わると、奥日光の秋は終わりに近づきます。
小田代ヶ原 小田代ヶ原では、写真で有名な白樺”貴婦人”のバックになっている唐松林が10月下旬には黄葉し、貴婦人を引き立てすばらしい情景を醸し出しますが、それも束の間。
1週間ほどで落葉してしまいます。 その後には、殺伐した晩秋の風景が展開されます。
そして、寒さが少しずつ増してくると、霜に輝く湿原や朝日に光るドウダンツツジの樹姿が見られるようになります。
早朝バスも11月の上旬で終りになりますので、朝日の風景を撮るには歩くしか方法がなくなりますが、入るひとも少なくなりますので、私は自分の世界に浸ることができるこの時期は好きですね。 
凍った枯れ草や霜の落ちた枯葉には風情があります。 運が良ければ樹氷の写真も夢でありません。
千手ヶ浜に行ってみました。
夏キャンパーで賑わった湖畔には、人影がなく寂寞感だけが感じられました。 霜に濡れた葉をそっと写真に収めました。
歩いて辿り着いた西ノ湖の木々も葉を落として静まりかえっていました。 水面を見ると、空の青さが映り、綺麗でした。
この時期、光徳沼には、谷地坊主の枯れ姿を入れた写真を撮りに行きます。 形がおもしろいので、写しています。
沼に泳ぐ鴨の数が増えてきますが、鴨でなぜか写真の題材にはなりませんね!!
光徳牧場に放し飼いになっていた牛達はどこに行ってしまったのでしょうか。 1頭も見あたりませんでした。
牧場や沼の周りの樹木は、北風で葉を落とし、寒々とした風景になってしまい、訪れる人が少しずつ減る頃、奥日光は、来春までの長い冬眠に入るのです。

日光市内  紅葉前線は、10月下旬から11月上旬にかけて、いろは坂を上から下に向かって駆け下りていきます。
  いろは坂の紅葉は美しいのですが、場所柄、停車をすることができないため、窓からしか見られないのは残念ですね!!
大猷院前の楓東照宮の境内は、杉などが多く、紅葉する樹木は少ないような気がします。
家光廟のある大猷院の受付前に、大きな楓の樹があります。 周りが薄暗いので、ぽっと浮かんだ瞬間は印象的でした。
輪王寺駐車場の一角にある、1本のかえでは大きく、真紅に色づていて、見事でした。
東照宮の裏の駐車場付近。 明治の館などの飲食店のあるあたりが楓(かえで)が多く綺麗な場所です。
後は、二荒神社前の博物館裏の樹木くらいで、東照宮では紅葉を期待するのは難しいようですね!!
こんなところで紅葉と思うのは、東照宮から霧降の滝へ向かう途中の小倉山です。 
ここには、楓の木がありました。
霧降の滝は、落差75mの滝を観瀑台から見ることができます。
背景は霧降高原の山々になりますが、雑木が多いので、黄色か黄土色に染まった風景で残念ながら赤はないようです。
日光市清滝から日足トンネルを抜けて足尾へ入る渓谷沿いの紅葉は美しいです。 
日光からの帰りに、混雑を避け、足尾を抜けて桐生経由で帰るというルートも山岳ドライブとしてすすめられます。
足尾町の手前で粟野町に抜けるルートも、柏尾峠の紅葉も美しいのでおすすめのコースですが、道が狭いのが難点です。
ただし、どちらのコースも紅葉鑑賞は上旬まででしょうか?!


塩原・鬼怒川 付近

塩原付近     那須や日光に比べ、塩原は紅葉の時期が遅く、11月に紅葉を迎えます。
塩原渓谷の楓塩原温泉郷が点在する塩原渓谷では、11月上〜中旬にかけて、美しい紅葉がみられます。
箒川に沿った渓谷には、”いろはもみじ”など、楓の木が多いので、県内ではめずらしい”赤系”の紅葉がみられるところです。
車からの鑑賞より、大網温泉から福渡温泉のハイキングコースを歩くことをおすすめします。 ”思い出に残ること”請け合いです。
塩原と鬼怒川温泉を結ぶルートである日塩道路を日塩もみじラインといいます。
道路の沿線には山もみじが自生するので、もみじラインとして売り出しており、鬼怒川に抜けられることから、利用者が多い道路ですが、紅葉のこの時期は特に多く、週末は大渋滞になります。 途中で抜ける間道がないので、入る前に渋滞情報を確認してから入らないと時間だけ経過していらいらすることになります。
鬼怒川に行くには、奥塩原から会津西街道に出て、五十里ダム経由で行く方法があります。
会津西街道へ出たところにある上三依から南会津に向かう山王峠にかけての紅葉も山もみじがあるので、見ごたえがありますね。
  三依から五十里ダム方面に下っていく道沿いの唐松の黄を主体とした風景や渓谷に映すもみじの姿など、写真の被写体はことかきません。(11月上旬)
湯西川発電所鬼怒川温泉付近の紅葉は11月に本格的になります。
鬼怒川温泉と川治温泉の中間にある龍王峡は、3kmにわたって渓谷美が見られます。
河原から見上げる虹見橋を入れた風景は、多彩な色で秋を表現してくれます。
渓谷に沿った遊歩道を歩き、行く秋を偲ぶのもよいと思いますね。
五十里湖の周辺なども紅葉が綺麗ですが、時期的に遅いということもあり、年により異なります。
左の写真は湯西川温泉に行く途中にある小さな発電所の吊り橋を撮したものです。
この付近の紅葉は黄色が主体で、ななかまどやうるしが混ざると赤が入るという具合です。


県民の森・八方ヶ原、雲厳寺など 

咆哮の滝付近塩原温泉から八方ヶ原を経由して矢板または塩谷に抜ける山岳道路があります。
この時期は、4WDやバイクの若い人達が多くみられますが、沿線は紅葉が綺麗なので一般のひとも訪れたらよいでしょう。
また、八方ヶ原の学校平駐車場から雷霆の滝や咆哮の滝までトレキングするコースがあり、この時期には首都圏からも多くのハイカーが訪れます。
雄飛の滝も近くにあるのですが、道が閉鎖されたままなので、残念です(開通されたということも聞きますが確認していません)
行きは下りで楽なのですが、帰りが登りが続きますので、少しこたえるかもしれません。 
10時頃出て、2時〜3時には戻るというのが一番ですね。 
ここでは、滝と紅葉の組み合わせの写真がとれます。
塩谷町と矢板市にまたがる県民の森は、雑木林が多いので、多彩な色で秋を迎えています。 
ただし、写真の被写体にはならないかもかも知れませんが ・・・・・
尚仁沢湧水写真のスポットとしては、塩谷町にある尚仁沢湧水をおすすめします。
天然水が湧き出るスポットとして首都圏から土日には殺到する場所ですが、水を汲みに来る人達と違う場所が湧水地なので、ここまでは多くの人が入りません。 
左の写真は尚仁沢湧水を11月上旬に写したものですが、ブラした水の流れと樹木のバランスが鍵でしょう。
県北にある雲厳寺にもこの時期には多くのひとが訪れるようです。
雲厳寺は黒羽町にある古刹です。 
芭蕉が訪れたお寺でもあります。 紅葉は、遅く中旬から。
また、そこから馬頭温泉郷に抜ける県道両側は雑木林。 紅葉(正式には黄葉)は、人に知られていませんが、大変美しいものです。
自分一人が独占していると思うと、満足感も多く、印象的でした。
( 紅葉とは直接関係はありませんが、)馬頭温泉から益子焼を見に行き、帰るのもよいのではないでしょうか。
首都圏からのバスツアーに、”雲厳寺と袋田の滝そして竜神大橋を組み合わせたもの”をよく見ますのも、このあたりの紅葉時期が日光や那須より遅いせいによるものでしょう。

県内では、上記の紅葉名所まで行かなくても身近な場所で楽しむことができます。
宇都宮市の”中央公園”には、トチの木を始め、桜やかえでなど種々の樹木があるので、かなりの期間にわたって、秋を楽しむことができます。
真岡市の井頭公園を始め、多くの公園で鮮やかな紅葉がみられるのは県内の冷え込みがキツイということにあるでしょう。
また、高速道路の両脇も見事に紅葉しますので、高速道路を走るだけでも紅葉見物ができてしまいそうですね!!








かうんたぁ。