10 月 

山々が鮮やかに彩られるのを『山装う』といいますが、県内の山間部のいろいろな場所で、すばらしい錦秋のドラマを提供してくれます。
県内には、もみじは少ないですが、多種多彩な落葉広葉樹があり、温度変化も激しいので、時には壮絶といえる色変化に出逢うことができます。
紅葉は高いところから低いところに段階的に下ってきますので、訪れて秋を探してください。 


日 光

奥日光の1番華やかな季節を迎えました。
竜頭滝 紅葉は、竜頭滝から始まり、週毎に、湯湖、中禅寺湖と移り、下旬にはいろは坂。 
そして、11月には、日光市内へと、移っていきます。
日光で1番先に紅葉するのが、竜頭滝で、例年、10日〜17日頃ですが、今年は10日ほど早いという予想もあるようですので、日光市に確認したほうが良いでしょう。
湯湖の方が高度が高いのに、竜頭滝が早いのは少し不思議な気がしますが、
”中禅寺湖からの風が、滝水で冷やされ、温度が下がるからだ”、 
といわれています。
ここの紅葉は、ミツバツツジが主体ですが、ナナカマドも一部混ざっています。
上流から下流まで、全般に美しいのですが、カメラマンが狙うベストポジションはただ1つで、真っ赤なナナカマドが色づいている樹。 (左写真)
プロカメラマンが竜頭滝で写したものはほとんどが、この場所ですが、同時に2人しか撮せないので、大変です。 
小田代ヶ原には、早朝からカメラマンが殺到し、ベストポジションはなかなかとれない状況になります。 
早朝の霧と紅葉を入れた写真は大変人気があり、早朝(3時ごろ)には、カメラマンで車道まで一杯になるベストスポットです。 
小田代ヶ原 霧と紅葉が同時に撮れる場所はそんなに多くありません。
早朝バスも出ていて交通の便がよいので、人気があるのでしょう。
今年も体育の日以降の土・日はかなり混むのではないでしょうか。
貴婦人と霧と周りの紅葉のバランスはこの時期が一番のようです。
次の週、25日前後になりますと、貴婦人の背景になる唐松林が金色に化粧をして、
それこそ素晴らしい風景になりますが、期間は短じかく、あっという間に秋は過ぎてしまいます(左写真)
朝日が射した瞬間の霜に輝く原も得難い風景ですし、小田代では写す場所で苦労することはないと思います。
カメラマンは、9時を過ぎるとほとんどいなくなり、一般客で賑やかになります。
湯の湖周辺。  例年の見頃は20日前後。
湯滝が落ちる湯湖側からの紅葉は見栄えします。 湖面には、写真うつりが良さそうな樹が2〜3本ありますので、それをクローズアップで狙うとか、広角で、白根山、三岳などの山を背景に紅葉が湖に映る姿を撮します。
金精峠 昨年、湯湖から金精峠へのぼって行く途中の駐車場から、三岳・金精山を見上げた紅葉風景がすばらしかったですよ!! 
紅葉した樹々の間に、ダケカンバの黄色が混ざり、見事なハーモニーを奏でていました。
ダケカンバやナナカマドなどが混じった、赤や黄色の色とりどりの木々を撮ってみるのも良いのではないでしょうか。
湯 滝 湯滝も同じ時期に紅葉します。 
滝の周りの紅葉は、飛沫の白さで、コントラストが強くなり、リバーサル撮影では、アンダーになりがち。 紅葉が暗く写るので、注意が必要です。 また、日光が滝部に当たっている時間が短いことも、頭に入れておいた方がよいでしょう。
千手ヶ浜から西の湖付近にかけて、日光には数少ない楓(かえで)の樹が見られます。
千手ヶ浜 千手ヶ浜乗船所の左側の湖岸が樹木が湖面に映して綺麗な場所です(左写真)
プロのカメラマンが日光で撮影した紅葉の写真の大多数はここで写したものです。 
例年の見頃は17日〜20日前後です。
撮影は湖に波が立たない早朝のほうがよいようです。
千手ヶ浜バス停付近から西の湖までの間にも、紅葉の綺麗な樹がありますので、歩いて移動することにしています。
光徳や山王峠・その他、いろいろの紅葉や黄葉の場所があって紹介しきれません。 自分の目で、お確かめください。

( 注 意 )
紅葉時の日光は信じられないくらい、道路が混みますので、あらかじめ、それを頭に入れて来られるとよいと、思います。
効率的に動くには、夜が明ける頃には日光に入り、昼にはいろは坂を下りるという、早立ち早帰りのスケジュールを組むことです。
土・日曜日は、朝6時頃からいろは坂の登り口で渋滞が始まります。 登り口に当たる清滝を6時前には通過したほうがよいでしょう。
帰りは、午後1時には、竜頭の滝付近から渋滞が始まります。 
この渋滞に巻き込まれますと、竜頭からいろは坂の降り口まで、ゆうに2時間かかることを覚悟しておく必要があります。 バスなら、歩いた方が先に到着しますね。
平日はマイカーは少ないのですが、貸切バスが全国から集まり、10時過ぎから登り始めますので、その前にいろは坂を登ると良いでしょう。
  東照宮に寄る予定を組む場合は、帰りに寄るようにしましょう。
このように、クレイジーな側面がありますが、全国でも有数の紅葉の名所なので、多くのひとが殺到するので已むえないでしょう。
せっかく来られるのですから、旅行当日は早立ち早帰りの心がけ、人が殺到する前に見たいところを見て、充分に秋を堪能してください。


那 須

県内で一番早く紅葉が始まるのは、那須・茶臼岳の北斜面です。
10月上旬、茶臼岳の牛首の下にある、姥ヶ平で紅葉が始まります。
紅葉するのは、ドウダンツツジ。 紅葉した木々が点在し、茶臼岳の噴煙をバックに、雄大な風景を提供してくれます。
また。枯れた木と紅葉した木との対比もおもしろい。
9月発行の岳人の特別号で皇太子が特別寄稿され、その中に雅子様と一緒にご覧になられた姥ヶ平の紅葉の素晴らしかった思い出を書かれておられます。
中旬に入ると、茶臼岳登山道から見た朝日岳の紅葉が最盛期を迎えます。 ごつごつした山肌に、ドウダンツツジの紅葉が映え、周りの笹の緑とのコントラストが大変絶妙です。
上記風景は歩きませんと見ることはできませんが、車でなら、弁天温泉付近から見た茶臼岳・朝日岳の紅葉も綺麗ですし、大丸温泉の上にある峰の茶屋の紅葉も捨てがたいものがあります。
沼ッ原湿原のある沼ッ原駐車場から見る茶臼岳斜面の黄葉も見ごたえがあります。
日帰り温泉が多いので、帰路には入るとよいですね!!

茶臼岳 姥ヶ平 峰の茶屋

 姥ヶ平から見た茶臼岳               姥ヶ平遠望               峰の茶屋
             


         

その他

奥鬼怒温泉郷や川俣温泉などの秘境でも、紅葉が見られます。
奥鬼怒温泉郷へのハイクは、秋を満喫するすばらしいものになること請け合いです。 
雑木林の紅葉ですが、空も澄み渡り、時には山猿たちがエサを食べているのに出会います。
奥鬼怒温泉郷の日帰り入浴は、予約が多いと断られることがあります。 また、入口の女夫淵駐車場には、多くの車が集まり、駐車できないこともあります。
虹見の滝 川俣温泉へ行く途中に虹見の滝があります。 
氣がつかずに通りすぎてしまいますが、黄、赤、朱と種々の色の紅葉に彩られた滝が好きなので、私は必ず立ち寄ります(山の斜面なので、日が当たっている時間が少ない)
鬼怒川温泉付近の紅葉は11月になりますが、その上流はそれより早いようです。
川治温泉上流の五十湖は、下旬頃、付近の山が色づきます。
五十湖に注ぐ男鹿川が流れる渓谷沿いは、くぬぎやぶななどの雑木林なので、多彩な紅葉を見ることができます。
湯西川温泉付近も同じ頃です。
日塩道路の紅葉はもう少し遅いのではないでしょうか?
紅葉の名所・塩原温泉は、11月に入ってからでしょう。







かうんたぁ。