今回入賞した温泉は、 長い期間にわたる街づくりの成果だ といえます。
『 入賞した温泉地と入賞理由 』
◎ 黒川温泉 ( 「NIKKIプラスワン大賞」受賞 )
黒川温泉は、 阿蘇に広がる瀬の本高原の西、 田ノ原川沿いにある 20数件の温泉宿 。
ここ10年ほどの間に、 ”癒しの温泉”として 脚光を浴びるようになりました。 ここの人気は、 下駄の音を響かせながらの 「 露天風呂めぐり 」 です。 宿には、 それぞれ趣向を凝らした露天風呂があり、 外来者にも開放している。
温泉地でのアンケート調査で、 だんとつ1位になりました。
入浴手形やひなびた雰囲気をだすための植樹など、街を挙げての取り組みが、 観光客だけでなく、他の観光地からも高い評価を受けました。
◎ 由布院温泉 ( 「行ってみたい賞」受賞 )
由布院温泉は、 昭和40年代から保養温泉地・生活型観光地を目指し、施設整備に力を入れました。
欧風感覚を取り入れるなど、個人客を中心とする現在の温泉ブームの先駆けとなった温泉です。
◎ 草津温泉 ( 「行ってよかった賞」受賞 )
草津温泉のシンボルは、湯畑。 湯畑では、大量の湯が噴出し、 もうもうとした湯けむりが温泉街にたなびいていく。 また、 ゆもみを観光の目玉にし、古き時代の温泉を演出しています。
ここは、泉質の湯と温泉街の雰囲気が一体になっています。
温泉の良さは、 泉質の良さに負うことが大きい。 しかし、 心の癒しでは、温泉街の雰囲気によることも大きいということを、今回の結果は、伝えてくれたと思います。
そういう意味で、 全国の温泉業者は、今回の結果を踏まえ将来に向かって、進んでいく必要があるのではないでしょうか。
「団体から個人へ」
旅行スタイルは、「団体から個人へ」と変化しています。 また、バブル経済の崩壊などにより、接待費の削減が徹底されました。 これらの変化への対応が遅れた温泉地は、 温泉ブームに乗り切れないでいます。 県内でも、 鬼怒川温泉がその例ではないかと思いますし、塩原温泉は、協力して温泉手形を発行するなど、改善のきざしが出てきたように思われます。
先日、熱海に出かけましたが、以前のような団体の姿は影を潜め、少人数のグループの旅に変わっていました。その中で、成功したのがアカオホテルリゾートと聞きました。
( 2002年9月23日 )