テーマ 『 温泉地再生の決めては?! 』


温泉ブームが再来したと言われています。
アメリカで起きたテロ以降、海外旅行の流れが止まり、国内に目が向けられるようになりました。 
中高年の増加は、旅行のあり方も変えようとしており、あわただしい旅行より、のんびり出来る温泉に注目が集まっているように思えます。  しかし、一方では、景気の低迷で、団体旅行や社員旅行が減少したため、大きな温泉旅館やホテルは悪戦苦闘、老舗の倒産も目立っています。  
以下、再建に対応した動きを書いてみたいと思います。

老舗の倒産対して、旅館の再建屋といえる会社が存在する。 
代表的なのが、北海道の観光レジャー会社「カラカミ観光」である。 カラカミ観光は、倒産しそうな会社を次々に買収し、チェーン化している。 新たに旅館を起こせば、数十億円あるいは数百億円掛かるのをその十分の一にもならない位で、手に入れるのだからある意味では笑いが止まらないだろう。
バブルの最中、金銭感覚に麻痺した温泉経営者とそこに付け込んで金を貸した銀行が背負い込んだ負債が破綻に追い込んだ。 大分県別府温泉の名門、杉乃井ホテルがその最たるモノだ。
バブル期に首都圏で高級旅館としてセールス活動を展開した宮城県の秋保温泉「ホテル瑞鳳」。 
それを買収したのが、カラカミ観光である。 買収後、食材はグループで大量に仕入れ、食事はバイキング方式でコストを削減し、1泊1人1万円前後の宿泊プランを出すなど、値段を半分以下にしたところ、宿泊客が急増したという。 このような形で、つぎつぎに再建に成功しているのである。
栃木県でも卑近な例がある。 栃木県塩原町のロイヤルホテルグループである。 
ロイヤルグループでは、1泊1人8千円前後の料金に設定しており、宿泊者が大幅に増加した。
昨年の県の観光地で、宿泊者数が前年を上回ったのはほとんどなかったが、塩原だけは増加した。 
その要因がロイヤルグループ集客能力だといわれている。 きくところでは、塩原の25%を集めたと言われているくらい、である。
もちろん、高級化で成功している旅館もある。 熱海市のホテルニューアカオである。1泊2食で1人6万円のスイートなど他の旅館5割高いが、リピーターが増えてきているという。

ただ私は高級化路線はうまくいかないと思う。個人客で、高級旅館に常時泊まれる層は少ないからである。
現在、由布院や黒川温泉などに泊まっているのは、主婦であり、旦那と一緒という訳でなかろう。 旦那は、会社で小遣いを気にしながら、安い昼飯を探しているのである。
夫婦でそういうところに泊まるれるようになれば定着するが、企業戦士だった旦那がコストをかけたそんな旅館に気楽に泊まるとは思えない。 
また、彼女達は、移り気である。 かってはあんなに人気のあった湯河原や飯坂温泉の話題はでない。
高級化するなら、旅館も十分な需要予測をして、失敗しないよう心がけることだ。

政府の指導で、銀行が不良債権の整理に力を入れだした。 バブル期に過大投資した旅館の整理が始まる。 今後どのようにして、顧客を誘致できるか。 温泉街の再生は、これからである。

( 2003年 2月16日 )


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かうんたぁ。