テーマ名  『 掘削業者沸く 』


温泉ブームで、温泉が各地にぞくぞく誕生しているので、 温泉調査やボーリングの受注を手がける地質調査会社も我が世の春なのだそうです。

3月始めに、東京臨海副都心に天然温泉「大江戸温泉物語」が開業しました。 
後楽園やとしまえんでも、遊園地の中に温泉を掘り、顧客誘致にのりだす準備をすすめているそうです。
温泉は、全国で6千4百ヶ所以上あるということで、この数の半分は この10年間に増えたものです。
第1次温泉ブームは、90年前後、竹下首相が進めた「ふるさと創生事業」です。 地方自治体が温泉を当て込んだ「町おこし」を企画し、どんどん温泉を掘り当てました。 実施部隊の地質調査会社はひっぱりだこ、温泉調査やボーリングの技術が進んだのもこの頃です。 地下1,000m掘る技術がなかったのが、1,500m以上でも大丈夫になりました。 しかし、バブルの崩壊とともに、90年代半ばには需要が1巡。
 ところが、少子化で遊園地の競争が激化したことや、老齢化で、マンションや老後施設に温泉付きが登場し、新たな掘削が行われるようになりました。 バブル期の需要が地方であったのに対し、今回のは都市部であることが特徴です。
前にも書きましたが、地熱の関係で地下1,000mに地下水があれば温泉水となってでてくるので、全国どこででも、温泉はでるようになったのです。 都市部中心のこの傾向は、しばらく続くと思われます。

今後、スーパー温泉も温泉でなければという時代がくるのかも知れません。 しかし、よいことばかりではありません。  掘削単価も業者間の競争激化で6割から7割程度に落ちているようですし、地下水を汲みあげるのは地盤沈下との関係がないかも心配です。

( 2003年 3月30日 )


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かうんたぁ。