テーマ名   『 温泉はどこからでも堀削可能なのか? 』



温泉がでる可能性

最近の堀削技術をもってすれば、何処でも湯を掘り出せるという人がいます。
また、1km1億円といわれた堀削コストも下がっているみたいです。
しかし、温泉はどこからでも出るものでしょうか??


(1) 温泉の源泉は、地下水と関係がある?

温泉の多い栃木県でも、温泉のないところがあるのです。
県南地区、特に、小山市から足利市にかけては、冷泉はありますが、温泉はないのです。
温泉の多いのは鬼怒川、那珂川などの水量豊富な河川が流れている流域あるいはその伏流水が流れているところです。 
一方、温泉が出ない小山市や足利市などは渡良瀬川流域にあります。 水不足の話題の多い川です。 同じことは、渡良瀬川に合流する思川流域にも、いえます。
結論的にいえば、温泉は伏流水や上流にそれを補う大きな水瓶(地下水)が必要なのではないでしょうか?
また、栃木県の日本酒の蔵元は鬼怒川、那珂川とその伏流水が流れるところに多いです。 日本酒の旨さとも関係が有るような気がします。


(2) 源泉の泉種は、何で決まるのでしょうか??

温泉には硫黄泉や塩化物泉や単純泉など源泉により違いがあります。
これらは、温泉水に溶け込んだ成分によって泉種が決まります。
最近堀削されて茨城県、東京都や愛知県の海に近い温泉は塩化物泉が多いのですが、これ等は海水が地下水になっているものと思います。
海からはかなり離れた塩原温泉にある塩化物泉ですが、塩原は太古(約2万年前)には海であったといわれますので、蓄積された塩分が溶け出ているものと思います。
那須火山帯が栃木県を縦断しているのでが、その割りに硫黄泉が多くないのは何故でしょうか??


(3) 全国で温泉が急増したのは何故???

十数年前、栃木県で温泉が急増しました。 バブルの最中、村おこしの掛け声で県内のほとんどの市町村が温泉堀削を行ったからです。
この10年では長野県南部の市町村に温泉が急増しました。
中京圏、特に愛知県は人口に比較し温泉が少なかったので、開設された長野県南部の温泉は中京圏の客を吸収して繁盛しました。
温泉が急増した理由の1つに政府の町村合併の働き掛けがあります。 合併すると今までのような国からの援助がなく、お金も自由にならないと、借金のできる内にと駆け込みで掘ったところ。 更には、合併の条件に掘った借金の肩代わりにしたところ。 合併による交付金で穴埋めを図ったところなど、いろいろです。
最近、名古屋市内や周辺で民間業者による温泉堀削が増えています。
スパー温泉の発祥の地といわれる愛知にはスパー温泉の数が多く、競争も激しい。 
客寄せのため、温泉からタンクローリーで運んできていたところもありました。 その中から自前の温泉を持つ動きが出ているのです。
お客様もそうなれば他県に出かける必要もない。 地元でという動きは加速し、長野県に影響を与えつつあります。
小生も他所は出かける回数は激減し、名古屋周辺の温泉での回数が大幅増加という具合です。
そういえば、自宅から2km先で温泉を掘っているので、湯が出たら入り浸ることになりそうです。

( 2006年10月 )




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かうんたぁ。