mrmaxの城めぐり 福岡県5 (大野城)


大野城は太宰府防衛のため、新羅、唐の連合軍の来襲に備えて築かれた古代朝鮮式山城である。 
日本100名城の第86番に選定されている。 


かうんたぁ。




大野城

大野城へは、令和元年(2019)五月二十五日に訪れた。 
当日は、福岡でレンタカーを借り、水城を訪れ、その後、大宰府政庁跡と坂本八幡宮、 太宰府天満宮を訪問後、大野城へ行った。 

「 大野城は、 大宰府政庁の北側背後に聳える標高四百十メートルの四王寺山(大城山)の山頂に、 水城が造られた翌年の天智天皇四年(665)に築かれた古代山城(朝鮮式山城)である。 
日本100名城の第86番に選定されていて、 スタンプは大宰府展示館と太宰府市文化ふれあい館の二ヶ所で捺印できる。 
小生は大宰府展示館でスタンプを押してきた。」

太宰府天満宮に参拝後、大野城に向って車を走らせるが、 土地不案内でナビでは行先を指定できないまま走り、
「焼米ヶ原尾花礎石」の碑のある駐車場で、一時停止した。 
そこに大野城の説明板があった。

説明板
「 大和朝廷が、新羅、唐の連合軍の来襲に備え築かれた防衛施設の一つで、 北西の水城、南方のきい城とともに、太宰府政庁を中心とした防衛ラインを形成し、 百済の亡命高官二名の指導のもとに築城されたことが日本書紀に記されており、 山頂や山腹に土塁が、谷間には石垣が全周八キロにわたって築かれていた。  現在確認された城内への出入口は五ヶ所、食料の備蓄や居住に利用されたと考えられる七十余りの建物が 丘陵を造成した平坦面に残されている。 」 

この日が旅行の最終日で、福岡空港から飛行機に乗り、羽田へ帰らないといけない。 
また、五月なのに当日は熱帯日となり、同行の娘が熱中症にかかり、ダウンしてしまった。 

「 ここから焼米ヶ原、尾花礎石群、村上礎石群と行くのは無理と、 あきらめた。 
大野城跡は一般的な森林公園で、行けば案内板があり、城跡の説明があると考えて訪れたがそれは間違い、鬱蒼とした森が続くばかりで、皆目見当がつかない。 」

百間石垣だけは行こうと決めた。 
県民の森センターにも100名城のスタンプがあるようだが、既にもらっているので、 そのまま直進すると、「野外音楽堂の入口」の看板がある。
そのまま進むと左側の崖に石垣が見えてきた。 
その先に車を二・三台停められるスペースがあったので、車を駐車。
少し引き返すと谷部石塁である。
四天寺川には石塁があり、その上に石垣がある。 
石塁端部を回り込むと石垣沿いに上に登る道がある。 
石垣はカーブして築かれているが、これは支持基盤となる硬い岩盤に沿って築かれたためこのような形になっているのである。 
この道を行かず、駐車したところから直登の道を行くと、土塁が横に連なるようになっていた。 

尾花地区土塁
     谷部石塁      百間石垣の土塁
尾花地区土塁
百間石垣の谷部石塁
百間石垣の土塁



四天寺川脇に「特別史跡 大野城跡 百間石垣」の説明板がある。

説明板
「 大野城の城壁は土を高く盛り上げた土塁で囲まれているが、 起伏の激しい地形のため、谷間は土塁ではなく、 石を積み上げたダムのような石塁とし、 急斜面部は石垣を作るなど工夫をこらしている。 
この百間石垣の名称は四天寺川の部分を石塁とし、 それに続く山腹部を石垣とした城壁で、 長さが百八十メートル程あることから名付けられたものである。 
平均四メートル位の高さが残っており、川底部では石塁幅が九メートルほどある。  外壁部の角度は七十五度前後である。 
この川から今までに三個の礎石などが発見させており、川に近い場所に城門があったと考えられる。 」

急登の道の先には礎石群みたいのものがあった。 
合流した道の左の道は先程の川端からの道だったようで、 この道からの方が楽だったなと思った。 
右側に道を進むと崖のようなところに石垣が組まれている。 

「 ここは先程土塁が続くと思った上部で、 石垣の角度は七十五度前後でほぼ垂直の壁のようになっている。 
石垣から水がしみだしているところがあるが、 百間石垣には水を排水するための穴がいくつかあけられている、という。 
石垣も裏込めに栗石を使用した透水性の高い構造である。 
昭和四十八年、平成十一年、十五年と度重なる水害で被害を受け、 大部分が修繕、平成七年に復元され、現在の状態に至っている、とある。 」

ここから引き返したが、急勾配の石垣は他に類がないように思え 、階段を下りて駐車場まで下りてくるが、  振り返ってみると急斜面に作られているということを身に染みて体感でき、 圧巻である。 
なお、説明板にあった川底から発見された礎石は県民の森の管理事務所の前に置かれているようであるが、 このあたりに城の北側の入口、宇美口城門があったとされる。 
また、同じ時期に大石垣、原地区土塁、大宰府口城門などを復元整備したというが、 今回はこれでタイムアップ。 
一般的な城めぐりと違い、大野城の史跡をしっかり見るためには、 事前に資料を取り寄せ、 山行きの装備で行かないと駄目だなあと思った次第である。 

礎石群
     土塁と石垣      直角な石垣
礎石群
土塁と石垣
ほぼ直角の石垣



所在地:福岡県糟屋郡宇美町四王寺、太宰府市、大野城市 
西鉄太宰府線太宰府駅から徒歩40分 
大野城のスタンプは大宰府展示館(太宰府市観世音寺四丁目6-1 092-922-7811 9時から16時30分 月休(祝日は翌日)、 または 太宰府市文化ふれあい館(太宰府市国分四丁目9-1 092-928-0800 9時から17時00分 月休(祝日のときは翌日)  の二カ所で押すことが出来る。 
なお、休館日(月曜日)は太宰府市役所文化財課の窓口にあるので、そこに行くこと。 
年末年始は西鉄太宰府駅前の太宰府市観光案内所に臨時で設置される。 




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