mrmaxの古城めぐり　京都府２　(伏見城)

伏見城は秀吉が建てた城と家康が建てた城があるが、秀吉の建てた伏見城跡ははっきりしないようである。

伏見城

訪問したのは平成二十七年(2015)六月十七日である。　

「　伏見城を最初に造ったのは豊臣秀吉で、その時建てたのは宇治川の北岸の観月橋の北東、伏見指月(現在の桃山町泰長老) の地だったといわれる。　
文禄元年(1592)に築城を開始し、二年後の文禄三年(1594)に秀吉は入城し、十月頃から宇治川の流れを巨椋池(おぐらいけ)と分離して伏見に導き、伏見城の外濠とするとともに、伏見城下に居城である大坂城に通ずる港を造り、巨椋池には小倉堤を築き、その上に街道を通して、新たな大和街道とするなど大規模な土木工事を行なっている。　
二年後の文禄五年(1596)に城は完成をみるが、その直後の慶長伏見地震により、倒壊してしまう。　この時、女﨟が七十三名、中居が五百名死亡したが、伏見城にいた秀吉は無事で、壊れなかった台所で一晩をすごし、翌朝、城の北東一キロにある高台、木幡山に仮の小屋を造り、そこで避難生活を送ったといわれる。　
秀吉は倒壊した伏見城の廃材を活用し、短期間に、避難した木幡山に新たな城が築き、慶長二年(1597)に新しい城を完成させた。　
秀吉好みの金箔の瓦を使用するなど、豪華優美なものだったと推測される。　しかし、秀吉は、一年後の慶長三年(1598)、五大老に後事を頼みながら、伏見城内で没してしまう。　
秀吉の死後、遺言により、豊臣秀頼は伏見城から大坂城に移り、代わりに、五大老筆頭の徳川家康が伏見城に入り政務をとった。　
慶長五年(1600)六月、徳川家康が会津征伐に乗り出すと、この間隙をぬって、小早川秀秋、島津義弘連合軍が、鳥居元忠が城代となって守っている伏見城を四万の兵で攻撃した。　八月一日、伏見城は炎上して落城し、建物の大半が焼失。　
関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康は、翌慶長六年(1601)三月に入城し、伏見城と二条城の再建を開始する。　再建の際、弾正丸、大蔵丸、得善丸、御花畑山荘と呼ばれている北西部の曲輪群とそれを取り巻く堀は放棄されたが、その他は藤堂高虎が普請奉行でほぼ元にままに再建し、慶長七年(160)末には完成して、徳川家康が入城。　翌慶長八年(1603)、家康は伏見城で、征夷大将軍の宣下を受ける。以後、三代徳川家光まで、伏見城で将軍宣下式を行っている。　
駿府城の改築により、慶長十一年(1606)頃には伏見城の作事は停止され、器材や屋敷が駿府城へ運ばれていった。　
家康が駿府城へ移った後は、慶長十二年に松平定勝が城代となり、また大番等による在番や定番が行われた。　大坂の陣後、しばらくは二条城が将軍参内時の宿舎、伏見城が居館用として利用されたが、一国一城令の主旨からも両城を維持するのは困難とし、元和五年(1619)に伏見城の廃城が決まり、翌年から城割りが始まった。　元和九年(1623)、家光の将軍宣下が実施されたが、その後完全な廃城となった。　」　

伏見城の天守は二条城に、また多くの建物は福山城、淀城の建築に使用され、それ以外にも全国各地に移築された。　
現在伏見桃山城となっているのは伏見城花畑跡地に昭和三十九年(1964)に近鉄により開設された「伏見桃山城キャッスルランド」という遊園地に洛中洛外図に描かれた伏見城を参考にして鉄筋コンクリート構造で造られた五重六階の大天守と三重四階の小天守である。　その際、楼門も建築された。　
本丸跡などの主郭部分は明治天皇の陵墓、伏見桃山陵になっていて、無許可での立入りが禁じられている。　
伏見には秀吉時代も家康時代も大名屋敷があり、伏見城が廃城になってからも明治に至るまで多くの大名屋敷があった。　

「　江戸幕府は参勤交代を行う西国大名の京都への立ち寄りを禁止し、山科から伏見、寝屋川から京橋に至る東海道を延長する街道を決めたので、宿泊を兼ねた大名屋敷があった。　丹波橋近くに尾張藩や薩摩藩の屋敷、阿波橋近くには紀州藩、因州藩、肥前藩の屋敷があった。　また、京都と伏見湊を結ぶ高瀬舟を開設した角倉家の屋敷もあった。　」　

伏見城楼門　　　　伏見城天守閣　　　　伏見港公園

伏見城楼門 伏見城天守閣 伏見港公園

所在地：京都市伏見区桃山御陵
桃山城へはＪＲ奈良線桃山駅より徒歩１５分
近鉄丹波橋駅または京阪丹波橋駅から徒歩約２０分

　戻る(城跡めぐり表紙)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(MR.MAXの世界)へ

mrmaxの古城めぐり 京都府２ (伏見城)

mrmaxの古城めぐり　京都府２　(伏見城)