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唐津城へは右手の坂道を登る方法と城の奥にあるエレベーターで上がる方法がある。
エレベーターは有料だが、天守閣の脇に「あ―」という間に到着する。
江戸時代の藩士は坂道を登っていったので、その実感を味わうには坂道がよい。
唐津城に残る遺構は石垣や掘の一部のみである。
「
唐津城は江戸初期の慶長七年(1602)から慶長十三年(1608)にかけて築城された。
唐津市街の北部に位置し、松浦川が唐津湾に注ぐ河口の左岸、浦島山に築かれた城で、
周囲は一キロ、四・三ヘクタールの面積である。
城を築いた寺沢広高は、文禄元年(1592)の朝鮮出兵に際し、
肥前名護屋城の普請を務め、出征する諸将や九州の大名の取次を担当した。
関ヶ原の戦いでは東軍につき、徳川家康の信頼を得て、天草の領地も与えられて、
長崎奉行にまで出世した。
しかし、このことがあだになった。
その子の二代目藩主・県堅高の時代に、
天草の実石高が与えられた石高の半分だったことと、
キリシタンへの弾圧から、島原の乱が起き、責任を追及された藩主は自殺し、
寺沢氏は途絶した。 」
明治四年の廃藩置県で、唐津城は廃城となり、建造物は取り壊された。
天守閣があるのは、
唐津湾に突き出た海抜四十三メートルの満島山上で、ここは本丸跡である。
「 前述の「唐津城」の説明板にあるように、 昭和四十一年に建設された、五階五層、地下一階のコンクリート製の模擬天守である。 」
天守閣の入口には、「舞鶴城」の説明板があった。
「 ご案内
唐津城にご來城いただき、誠にありがとうございます。
この唐津城は、東の浜の松原と西の浜に連なる白砂が、
両翼を広げて舞い上がる鶴に似ており、
城の天守閣がその鶴の頸に見えることから、別名、舞鶴城ともいわれております。
天守閣には、寺沢、大久保、松平、土井、水野、小笠原の諸氏が城主をつとめたときの
ゆかりのある品々や、唐津の文化であります唐津焼の「古唐津」を展示しており、
また最上階は旧城下町、松浦湾、虹の松原、
鏡山を見渡すパロラマが広がる展望所となっております。
ぜひ、唐津の旅の思い出にご入館いただきますようご案内します。
唐津市 」
展望所からは松浦潟の全景が一望でき、 松浦川の右岸には国の特別名勝・虹の松原が広がっているのが見えた。
「
寺沢広高は新田開発を行う際、防風林を造成し、手厚く保護したが、
防風林は虹の松原として、現在まで存続する。
寺沢広高は唐津の発展に寄与したと唐津の人々に慕われているようである。 」
展望所からは下を見ていると、駐車場の一角に城門とそれを囲む土塀を見つけた。
「 これらは復元された門と土塀だが、
北面には現在も海にそびえる石垣が残っている、という。
唐津城の北面は唐津湾に面するため、海城ともいわれた。 」
坂を下り、階段の西側に入って行くと、 二の丸の石垣の下に「御住居・学問所」の説明板があった。
説明板御住居・学問所」
「 この石垣の南側は、唐津城の中核部、藩主の住居と藩庁がおかれていたニの丸
にあたります。
現在は佐賀早稲田中学校・高等学校には高く石垣を廻らせた遺構が残っていますが、
この中に藩主の住居と藩庁がおかれていました。
多くの藩士が毎日出仕していたことでしょう。
また、グランド部分には、藩校などの学問所や蔵や馬場、厩などがありました。 」
その西側は、昨日行った武家屋敷があるところで、その一帯が三の丸があったところである。
唐津藩は寺沢家が断絶後、譜代大名六家が入れ替わり、長期間による藩主家の統治は
一度もなかった。
外曲輪は町人の街とあり、唐津城の南方で唐津駅前が含まれる。
一方。江戸初期頃から唐津焼の生産が始まっている。
唐津駅前に「唐津曳山」の銅像があった。
「 唐津くんちは、天平勝宝七年(755)創建の唐津神社の祭として、 寛文年間(1661〜1673)に始まったとされる。 文化十四年(1817)、小笠原氏が磐城棚倉藩より唐津藩に転封となると、 二年後の文政二年(1819)、初代小笠原長昌の時、 伊勢神宮を参拝後帰途についた、刀町の石崎喜兵衛が京都祇園祭を見て感動し、 帰郷後、仲間達と獅子頭を製作し、神社に奉納した。 唐津神社の秋季例大祭である唐津神祭が、 現在のような曳山を引く祭に変化するきっかけとなった。 現在一番曳山である赤獅子がそれである。 漆で仕上げられた巨大な獅子頭。 台車には囃子方が乗りこみ、 囃子を奏でながら巡行する「囃子ヤマ」は、 他町内に大きな影響と驚きの反応を与えました。 文政七年(1824)には青獅子、天保十二年(1841)には亀と浦島太郎と、 各町はこぞって製作し、明治九年(1876)の13番曳山「鯱」、14番曳山「七宝丸」 まで、14町14台の曳山が現存している。 」
唐津曳山会館へ行くと、曳山を見ることができる。
唐津城へはJR筑肥線唐津駅から徒歩約20分
唐津城のスタンプは唐津城天守閣にて