二条城の桜
”京都の桜撮影ツアー”と銘打つ、新聞社系旅行会社主催のツアーである。
案内には、”バス1台にプロカメラマンが添乗して撮影ポイントを指導する”とあった。
申し込んで感心したのは、スタッフが現地に出かけたりして開花予想を調べ、旅行日が2度も変更になったことである。
桜の撮影なので、咲いていなければ意味がないと言えるが・・・
今までのツアーではそんなことお構いなく実施されていたので感激したのかもしれない。
このような心遣いがあったのに反し、前日の天気予報は、雨のち曇り。
旅行社は”午後には天候が回復する見込みなので、開花状況から決行したい”と言ってきた。
いたしかたないですな!!
桜は1年に1度なので、行くことにしました。
名古屋を出発した時は、くもりだったのですが、滋賀県に入ると本格的な雨。
二条城に着く頃には、雷も混ざってきました。 どしゃ降りの雨の中、傘をさして城に入りましたが、二条城は三脚使用禁止!?
これには参りました。
リバーサルフイルムなので、シャッター速度が遅いと手ぶれになりがちである。
先生の指導は増感して写すこと。
これまで経験したことがないが、勧め通りにやってみることにした。
ISO100を400に二倍増感したのですが、画像が荒れてしまうのですね。
それよりも、雨のため、重い2.8L望遠ズームを車の中に残した判断が裏目に!!
多く咲いているしだれ桜が、見学道から遠いため、うまく写せないのである。
更に、傘から水がしたたり落ちるなかでの撮影は、どうしてもあせって撮るようになってしまうなどで、結果として良い写真はとれませんでした。
滝のように降る中では、無理して撮るべきではなかったのかも知れません。
祇園から円山公園へ
3時頃には、晴れてきました。
三条に近い、白川南通りの桜は雨で葉桜になり、道に落ちた桜の花びらが美しい。
まさに、情緒ある姿を見せてくれました。
高瀬川のあたりは茶屋や料亭が多いところである。
特に、”巽橋”の辰巳大明神はテレビや芝居で登場する芸伎や舞子がお祈りする神社。
時間が早すぎたようで、代わりに、舞子体験のギャルに出会いました。
一力茶屋の前を抜け、歌舞練場に行くと、都おどりをやっていました。
この通りは観光客が多いのですが、撮影するには人が多すぎました。
平安神宮前の菓子屋で平安殿を買うため、歩いていきました。
ユズの香りがする桃山系のお菓子でokanの好物です。
戻るころには陽が傾きかなり暗くなってきた。
円山公園のしだれ桜と夕陽の写真をと思っていたが、知恩院周辺で落ちてしまった。
これまで撮ってきた桜はすべて田舎で、人物は原則として入れず、桜だけを撮ってきた。
しかし、京都を歩いていると、桜だけでは単調で写真にはならないような気がしてきた。
人との係わりがある雰囲気の写真の方がよいのかなあと思った次第である。
左の写真は、若者が二人、閉まった知恩院の門前に座り、なにか楽しそうに語り合っている情景を写したものである。
建物という人工物を入れた写真はどうしてもなまなましくなるので、そこには暮らす人を入れた写真がよいのかも知れない。
都会地の写真は、それなりの撮り方あるのではないでしょうか?
学生時代を京都で過ごしたので、円山公園はなつかしいところである。
円山音楽堂では季節の良い時期にはコンサートが開かれたので、聞きにいったものである。
また、学生運動が盛んな時代でもあり、デモや集会が円山公園の広場でよく開かれた。
安保阻止のデモで四条河原町をスクラムを組んで歩いたこともありましたね。
今、政府が軍隊の復活(?)をかけ、まっしぐらなのに、学生達は”高見の見物”というか、目を背けて知らんぷりをしているのは戦争で多くの犠牲者を出したことを知っている時代の人間には理解できないですね!!
円山が桜の名所なのは知っていましたが、しだれ桜の存在は知りませんでした。
一生懸命に写した割に出来映えは今一つでした。
照明で映し出された桜の写真は見たイメージとかなり違う。
人間の目とフイルムの感じるのが違う結果でなかなか難しい問題である。
夜景は何回も経験しないとマスターできないのかも知れないので、それはそれで良かったと思った。
写真は必ずしも、満足のゆくものではなかったが、久し振りに訪れた京都は十分楽しませてくれるたびになりました。
(訪問)平成15年4月8日 (文作成)平成16年4月10日
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