『 た べ も の 談 義 』


==== 生活の中で、なにげなく食べている”たべもの”について、書きつづりたいと思います。  ====

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 おにぎり

 2003年5月19日

子供の頃、夕方、お腹がすいて遊びから帰ってくると、お袋が味噌のついたおにぎりを握ってくれた。
酒を飲みカラオケで歌って、腹が空く深夜に醤油を付けて焼いたおにぎりのうまかったこと、
などなど、おにぎりについての思い出はつきない。
そういうことで、今回のテーマはおにぎりで〜す。
おにぎりはどうも日本だけのたべもののようです。  お米は東南アジア全般やその他の國でも一部で、作られてられていますが、タイなどのお米とは種類が違います。  日本のお米はジャポニカ種ですが、タイなどのお米はインディカ種で、ぱさぱさしているので、ドライカレーなどには向きますが、粘りけがないのでおにぎりには向きません。

おにぎりの歴史はそう古くないようです。
古語辞典によると、平安時代の屯食(とんじき)がルーツといわれます。  これは強飯(おこわ)を握って、卵形にしたもので、宮中や貴族の饗応の時、下臈に賜った弁当だったようです。
 (注)これを再現したとホームページで公開しておられる人がいますが ・・
しかし、戦国時代までは、携帯食としては、焼き米か干飯(ほしいい)など、米を一度蒸して干したものを湯で戻したり、口に含んでやわらかくして食べていました。
 (注)第2次大戦中には、同じものがつくられ、非常食として使われましたよ!!
江戸時代になっても、江戸や浪速の大都会ではお米が主食でしたが、地方では米は貴重品で食べられず、カテ飯といっていろいろな雑穀を混ぜて食べていたので、握ることはできず、農作業には竹皮で包むなどして持ち運ぶしかできなかったということです。
明治〜第2次大戦まで、一般家庭の食事は、大麦を混ぜたご飯が当たり前でした。 銀しゃりの白米を食べるようになったのは昭和30年後半からであり、おにぎりがポピラーになったのも、ここ40〜50年のことなのです。

以前放送された『発掘!あるある大辞典』によると、
おにぎりは、ごはん、海苔、塩というシンプルな組み合わせなのに、ミネラル、カルシウム、鉄、亜鉛、食物繊維を含み、集中力不足、イライラ、めまい、たちくらみを防ぐ健康食なのだそうです。
 ごはん = 冷えるとごはんを固くするレジスタントスターチという成分がふえますが、食物繊維と同じ働きをするのです。
 海苔  = ビタミン、ミネラル、鉄分を豊富に含む(ビタミンB1=糖分の分解、ビタミンB2=脂肪の燃焼)
    = ごはんと海苔の吸収を助ける。 とりすぎは良くないが、不足すると、消化吸収がさまたげられる。

コンビニでは、20億個のおにぎりが年間に販売されそうですが、それ以外にデパ地下やスパーでも売られていますので、すごい数のおにぎりが販売されていることになりますよね!!

面白いのは、コンビニおにぎりの調査結果です。
    具の中身      カロリー     塩 分      期待できる効果
     梅         180kcal    1.1g       クエン酸パワー
    紅鮭        200       0.2       適度な脂質と良質なタンパク
    タラコ        191       1.0       タンパク質とビタミンB1、B2
    昆布        178       0.9      ミネラルとビタミンが最大
    おかか       185       0.4      偏りなく成分を強化
    ツナマヨネーズ  242       0.3      脂質が多め、タンパク質、鉄分がポイント
    唐辛子       185       0.9       ビタミンC、ベータカロチンが豊富
    赤飯         216        0       豊富なミネラル、塩分はほぼ0
              
更に、体調によって、食べるおにぎりの具を選択すると良い。
 疲れ気味の人 ・・・ たらこ、明太子、おかか、昆布、豚肉 (ビタミンB1 ・・ 糖質をエネルギーに変える)
            梅 (クエン酸 ・・・・・ 疲労物質を抑制する)
 肌荒れの人 ・・・・ 鮭 (ビタミンB6 ・・・ タンパク質から皮膚をつくる)
            かつお (ナイアミン ・・ 新陳代謝を活発にし、肌の健康を保つ)
            梅、明太子、たらこ、すじこ (ビタミンA1 ・・皮膚の粘膜の乾燥を防ぐ)
 風邪気味の人 ・・・ 葉唐辛子、鮭、高菜 (ビタミンA1 ・・細菌やヴィールスの侵入を防ぐ)
            葉唐辛子 (ビタミンC ・・侵入した細菌やヴィールスを撃退)
            梅 (クエン酸 ・・・ 解毒、殺菌作用)
 便秘気味の人 ・・・ 山菜、赤飯(あずき)、昆布、のり (食物繊維)
 食欲不振の人 ・・・ 梅、ツナマヨネーズ(酢) (クエン酸 ・・ 胃を刺激する)
            ツナマヨネーズ(辛) (香辛料 ・・ 胃を刺激する)
以上が、『発掘!あるある大辞典』で放映された内容ですが、役に立つ話ですね!!

なお、コンビニのおにぎり販売のベスト3は、
           20代           30代
  1位     ツナマヨネーズ       紅 鮭
  2位      紅 鮭           昆 布
  3位      明太子            梅 
とありまして、20代と30代では中身が違うのは興味アルところです。
ちなみに、私は、必ず買うのが昆布、その時々違えるのが紅鮭、五目、赤飯、たまに買うのは明太子です。
あなたの買われるのは何ですか?


 おにぎり(2)

 2003年5月24日

おむすびおにぎりと呼び方が2つあるが、どうなのでしょうか?
一般的には、おむすびは東日本で、おにぎりは西日本で使われることが多いようです。 千葉県では、大きいのはおにぎり、小さいのはおにぎりと分けて呼ぶとありますが、本当でしょうか ・・・・
農林水産省のホームページ『 消費者の部屋』を見ますと、書いてありました。
「おむすびとおにぎりの呼称は地域的な違いではなりません。 おにぎりは、にぎり飯をていねいにした言葉。 古くは屯食(とんじき)と呼ばれ、平安時代にその原型が求められる。 おむすびは女房言葉です。」
とはいうものの、おむすびは東日本で、おにぎりは西日本で使われることが多いのも事実のような気がするのですが、皆さんはどう思われますか?

家庭でのおにぎりの形には、いろいろな形がありますよね!!
三角形、俵形、太鼓形、ボール形など、さまざまですが、地方によって違いがあるのでしょうか?
毎日新聞が調べたところによりますと、
     ◎ 俵 形 ・・・・・ 関西以西が多い。
     ◎ 太鼓形 ・・・・・ 東北、北海道に多い。
     ◎ 三角形 ・・・・・ 全国。
     ◎ ボール形 ・・・・ 愛知、石川、富山、長野、など。
とありますが、どこでも、1つだけではなく、2〜3つの形が併用されているようです。

お米の販売団体のホームページに「日本全国のおにぎり」(http://www.gohan.ne.jp/okome-data/03/381.html)
というのがありますが、各県のめずらしいおにぎりが紹介されています。
愛知と岐阜そして長野の3県でつくられる「五平もち」については、伊奈地方から生まれたといわれます。
五平五合といわれ、五平にすると五合の飯が食べられてしまうといいます。
語源としては、 五平さんから名付けられたという説と、 神事の御幣からきたという説があるが、どちらとも言いかねる。
五平もちには、わらじ形とだんご形があるが、わらじ形は長野県下伊奈地方、愛知県奧三河地方、 たんご形は長野県木曾地方、岐阜県
と紹介されています。 五平もちは3県に分布していますが、愛知県でも奥三河の山間部ですし、長野も奥三河の北部の伊奈地方だけ、岐阜でも伊奈地方に近接した恵那地方と飛弾地方だけに限定されるのは、冬の寒さと関係があるのでしょうか? それとも、土地の往来によるものでしょうか
お分かりの方はお教えください。

貴方の投書をお待ちしています


 おにぎり(3)

 2003年6月8日


コンビニでは、最近、高級感のあるおにぎりが並んでいる。  通常のものは100円〜130円なのに対し、160円〜180円もしている。
なぜなのだろうか?
 この辺の事情を日経では以下のようにまとめている。
2000年にハンバーガーや牛丼チェーンが相次て値下げしたので、コンビニも対抗して値下げをした。 
しかし、効果は数ヶ月しか保たなかった。 
一方、デパ地下では、同じおにぎりでも、高級品に人気があることが分かり、高くても売れるものと確信したという。 
その様な結果から、コンビニ業界では、弁当やおにぎりで、外食産業と低価格競争してもしょうがないという結論に達した。
また、高級品が売れる背景には、もう1つ、時代の変化があったのである。
それは、コンビニに訪れる客の年齢構成の変化である。
今から15年前には、30歳未満が利用者の55%を占めていたが、最近の調査では、40数%になっている。 
特に、20歳未満は25% → 10%以下に激減している。
一方、50歳以上は 9% → 21% と大幅に増加しているのである。
コンビニの高級おにぎりは、ほとんどが新潟産のコシヒカリを使い、天然の塩を使っている。 
こうした高級おにぎりの購買層は、40歳以上の比較的豊かな層なのである。 
コンビニ調査によると、『50歳以上がおにぎりを購入した金額は、昨年同時期にくらべ、3.5倍になった』という。
これまで、コンビニは1人暮らしや子供が独立した夫婦には使われないと言われてきた。 
しかし、上記の調査結果で分かるように、変化が現れたのである。
特に、高級おにぎりや高価格の弁当を発売したところ、利用する人の数が日に日に増えているという。
最近の調査では、50歳以上では週4回以上利用する人の割合が約4割を占め、この数字はその他の年齢層の3割を超えたという。
今やコンビニは、中高年者のかかせない購入ルート、しかも、頻繁に訪れる定番ルートになったのである。 
従って、今後、コンビニでは、中高年にニーズのある商品づくりに一層力を入れてゆくに違いない。


 駅  弁

 2003年4月10日

駅弁にはいろいろな思い出がある。
しかし、1つだけ思い出せないのは、最初に食べたのはいつかである。
学生時代を京都で過ごしたが、帰郷の時や上京のときに何を食べたかはっきりしない。
入学したころは、まだ米が自由に買えない時代だった。 今の人では分からない米穀通帳というもので、1人当たり何合という風に決まっていて、その範囲でしか、米屋では米を売ってくれなかった。
それで足りないと、やみやから買わなければならなかった。 従って、駅で駅弁を売っていなかったのではないかなあと思うのである。
しかし、3回生になったころには、統制を緩やかになって、町の食堂でも自由に米が食べられたので、駅弁も自由に売られただろうと思う(それまでは、外食券食堂に行かないと米は食べられなかった。 うどんをよく食べましたよ)
その頃のことだと思うのだが、後輩と2人で那智白浜に旅行に行った時、新宮で食べためはりずし(高菜の塩漬けを大きなおにぎりにくるんだもの)のおいしかったことを忘れない。
旅という雑誌がそれより少し前に創刊され、松本清張の推理小説が話題になった。また、旅先のおみやげや駅弁も紹介され、旅の情緒を駆り立てたものである。
そういうことで、当時は蒸気機関車であったが、煙に目を拭きながら全国を旅し、駅弁を買って喰った。
特急に乗るより、普通で金を浮かせ駅弁を食べた方が良いと思って旅していた時代だった。

全国に旅行ができる出張の多い会社に入社し、会社を辞めるまで、高知を除いて全ての県に出かけた。
いろいろな弁当を買い喰ったが、学生時代のような駅弁に対する期待や感動を持てなくなっていた。 学生時代より中身が多く贅沢になっていたが、その地に来たという実感を感じさせる何かが欠けていた。 私自身の心にも、仕事での旅という面もあったのだろうが ・・・・・・・

そして今、手元に近くのデパートのちらし。 全国駅弁大会とある。 峠の釜めし、松茸めし、たらば寿し、など
居ながらにして全国の駅弁が食べられる時代になった。 かって食べた弁当の大部分が時代の波で消え去っているのだろう。
新幹線が出来て停まる駅が減り、列車の窓が開かなくなって、駅弁売りが無くなっていった。 窓を開け、出発までのあわただしい時間に弁当とお茶受け取る瞬間がスリルもあり、売り子との対話もあり、旅を思い出深いものにしていたのだが、今の旅はデパートで駅弁を買うのと同じ位の味気なさである。
そういえば、日経土曜版に次のようなことが書いてあったのを思いだした。
旧国鉄時代は、原則として1駅1社に駅弁の営業許可を出していた。 また、個別の弁当についても承認を必要としていた。
こうした業者が日本鉄道構内営業中央会を設立、その会員会社が販売する弁当を駅弁と称された。
国鉄民営化以降、 JR自ら子会社を作って、弁当事業に参入。一方、中央会を脱退する老舗もあるが、駅弁が許可制であることは変わりない。
百貨店での駅弁には、駅弁にない特別弁当を用意するところがでてきている。地元の駅では売っていない弁当もあるのである。 一方、駅構内のコンビニエンスストアに並ぶ弁当は、駅弁とは呼ばない。

駅で売っていても駅弁ではない弁当もあれば、駅で売っていない駅弁もあるという変な時代である。


 駅  弁(2)

 2003年4月24日

最近入った情報では、軽井沢駅と小諸駅で、駅弁の立ち売りが再会されるという。 ”峠の釜飯”の”おぎのや”が5月のゴールデンウイークの数日に限ってだが、立ちん坊を出すという。 何年振りだろうか?
信越線に電車特急が導入されてから、横川に停まる時間が減ったが、弁当を肩からぶら下げた箱に入れた立ちん坊が列車が来ると売りにきた。 長野新幹線が開通して横川は素通り。 駅売りは失業・・・・
しかし、峠の釜飯は、碓氷峠のドライブインですごく儲けている。 そこを通るほとんどのツアーバスが寄り、食べるか車に持ち込まれるかしている。 また、デパートでの販売や長野県内に数店構えて売っているので、立ち売りがなくてもなんともないようだ。
弁当はコンビニや駅のキヨスクで買う時代。 久し振りの駅売りはお客様の反応はどうだろうか?


 助六ずし

 2003年12月1日

”助六ずし”を皆様はご存知でしょうか?
いなりずしと海苔巻きをセットにしたものである。 いつ頃からあるものか分からないが、私が出逢ったのはそう古いことではない。
コンビニが出来てセットになって売り出されたのを買うようになってからであり、名前もいつの間にか覚えた。
先日、ある新聞にその由来が書いてあったので、紹介したい。
助六はやはり歌舞伎の助六と関係あった。 ”助六は、歌舞伎18番「助六由縁江戸桜」に登場する伊達男であるが、吉原の花魁である”揚巻”のもとに通うことから「揚げ」と「巻き」で助六になった”という。
新聞の記事を書いた長坂幸枝によると、助六ずしの命名は名古屋でとある。 この説の提唱者は、南山大学の安田教授。
氏によると、4代目助高屋高助が助六を演じたとき、ひいきがこの2種類のすしを差し入れたところ、「こりゃ助六だな」といったというもの。 明治時代の話である。
教授によると、関東、関西のすしやではメニューにないこともあり、いなりと巻きを同時に食べるのは、名古屋周辺の習慣という。
道理で関東からきた小生には異質に見えたのだろう。 それでも、名古屋に長くなると、法事やお祭りの御馳走が助六になると、家の子供達にはしごく当然のことになっている。
それにしても、歌舞伎の助六を命名した人は粋である。


「 納豆や豆腐についての話題や歴史などを語る 」


かうんたぁ。