テーマ2 『 温泉はなぜ身体によいのだろう? 』 (群馬大学名誉教授 白倉卓夫)

白倉さん監修の『 温泉の効能と入浴法 』によると、
温泉の効用は、体を温める 温熱効果、 血液の流れを活発にして老廃物や炭酸ガスを排出する水圧効果、 水の中で体が軽くなる浮力効果、そして、日常生活のストレスをときほぐす リフレッシュ効果などが、あるそうです。

@ 温熱効果
温泉にはいると、いつまでも温かく感じられます。 これは、温泉に含まれる成分が皮膚を通して皮下に入り、 皮下の血管を直接広げて血液の流れを増加させるためです。
塩化物泉の場合は、血行を刺激して血行を促す作用に加え、汗の出口をふさぎ発汗をおさえ、体温の放散を 防いで保温効果を高めるので、いつまでも身体がほかほかになる訳です。

A 浮力効果
温泉だけでなく、プールでも、水の中では浮力により体が軽くなり、手足の動きが楽になります。
半身不随や慢性リウマチなどの運動機能障害などのリハビリテーションに温泉療養が効果的なのは、 浮力効果と温熱効果で筋肉の血行を促し、しこりを和らげ、手や足の動きを容易にしてくれるからです。

B 水圧効果
温泉に入ると、下半身は水の圧力を受け、静脈内の血液は心臓のほうに押し上げられます。
心臓へ血液の還流が十分に行われると、心臓から押し出される心拍出量も増加します。その結果、酸素や 栄養が体内の各組織へより多く供給されるので、老廃物や炭酸ガスを早く体外に排出すろことができます。
( こうして、筋肉にたまった代謝物質が運び出されるので、疲労は消失します )
また、腎臓を通る血液の量が増加すれば、腎臓は血液を濾過して余分な水分や代謝物質を尿として排泄 する臓器ですから、利尿効果を発揮し、老廃物を多く排出することができます。

C リフレッシュ効果
人の体内の動きは1日を周期として変化する一定のパターンで動いています。昼間は体の動きに対応できる よう、また、夜間は体を休養させるように、体の中の自律神経系や内分泌器官によってうまくコントロール されています。
しかし、日々の過剰なストレスが反復して自律神経系や内分泌系にかかり、リズムが乱れ、体調をくずし、 その結果、病気の発症につながります。
日常生活の環境から離れ、くつろぎの状態で2〜3週間の連続浴を行うと、自律神経系や内分泌器官の 乱れを本来もっていた体調に正常化させる効果があります。

自宅の風呂でも、共通することがあるので、温泉に行かなくても身体をリフレッシュすることはできますが、 場所を変えのんびり入る温泉の方が数倍の効果があると思います。
今週末は、温泉にでかけませんか!!

( 2002年11月12日 )

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かうんたぁ。