『 た べ も の 談 義 』

==== 生活の中で、なにげなく食べている”たべもの”について、
調べたことや気付いたことを書きつづりたいと思います。 ====

かうんたぁ。


   『 テーマ名 』
   ◎ ソースカツ丼 (下記)
   ◎ おにぎり、駅弁(ごはん)
   ◎ 納豆、豆腐、しもつかれ(マメ)
   ◎ ラーメン、そば(麺)
   ◎ うなぎ


『 ソースかつ丼のルーツを探る 』
==== ソースかつ丼を食べたことがありますか?、
ソースかつ丼のルーツと現在どこでソースかつ丼が食べられるのか調べて、紹介しています。
皆様からの情報をお願いします。 ====

 2003年1月25日

ソースカツ丼なるものがある。
初めて食べたのは、10年ほど前だが、カツ丼は、卵でとじてあるものだと思っていたので、ビックリした。

ある新聞社が、「てんぷらを食べるときにソースをかけるか」というアンケート調査を行った。
調査結果によると、和歌山県では、回答者の8割以上がソースをかけて食べると答えた。 また、60%を越えたのは、四国(除く香川)、鹿児島、沖縄、奈良。福井、鳥取で、4割以上に拡げると、北陸及び近畿以西はほとんど対象に入ってくる。
一方、20%未満はとみると、北海道、東北は全県、関東では埼玉を除いた全県となり、関東以北では天ぷらを食べるときにソースを使うことがないという結果になった。 特に、福島、岩手、山形、山梨では、皆無であったという。
中部圏では、長野、石川、静岡、愛知が20%以上、富山、岐阜、三重は40%以上になっており、中部圏が食文化の境界線になっていることが分かる。
即ち、 ソースをかける食文化は、関西色の強い北陸より西に発展していることが分かる。
関東以北は、しょうゆ文化で、”天ぷらにソースをかけて食べる” という発想がなかったといってもよいのではないか?
香川県だけが、中四国の中で、20%以上だったが、これは「てんぷらといえば、うどんに乗せて食べるものだから、ソースもてんつゆも不要」という”さぬきうどん”の本場ならでは事情であることが判明したということである。

”ソースカツ丼”を最初に食べたのは、足利市のそば屋だったが、その店以外にやっている店が見付からなかった。
それからしばらくして、写真を撮りに南会津に行くようになり、田島町で再度出逢うことができた。
この町では、全ての店のメニューにあった。 さらに、驚いたのは、カツ丼といえばソースカツ丼のことであり、我々のいうカツ丼は玉子入りカツ丼として区別されていることだった。
ここでは、ソースカツ丼が主流なのである。 その後、会津若松、喜多方と範囲を広げて調べて行くと、三春町方面にまであることが分かった。
栃木県内では、会津西街道の山王峠に一軒あったが、その店は田島から出ているということなので、栃木県内でソースカツ丼がメニューにあるお店は足利地区以外では一軒も見付けられていない。

私は、ソースカツ丼なるものは会津西街道を経由して普及していったという仮説をたてている。 また、足利から反対の方角は、例幣使街道、即ち、群馬県、軽井沢、木曾街道とつながる道に普及していないかと推定したが ・・・・


  ソースカツ丼(2)

 2003年2月10日

最近、頻繁に、愛知県東三河北部から長野県南部にかけての日帰り温泉を訪ねている。 その中で、平谷村のひまわりの湯と南信濃村でソースカツ丼を食べた。 また、つい先日には、大府市でも食べることができた。
中部地方でも、ソースカツ丼があったのである。 今後、そのルーツも調べたいと思っている。

新聞によると、ソースは、明治27年に大阪で「三矢ソース」と「錨印ソース」が国産として誕生した。 その際、三矢ソースは、「洋式醤油」すなわち和洋食兼用ソースとして、宣伝し販売したとある。
そのようなことから、関西ではソースは醤油の1部として、食生活にとけ込み、親から子供へと伝承されていっているのではないかと推測している。
ソースは、地区地区の好みや味があるような気がする。 関東地方では濃いソースが愛用され、とんかつソースとウスターソースの構成だが、愛知県ではとんかつソースが使われることは少ないようだ。
関東では圧倒的に人気のあるブルドックソースは愛知県では影が薄い。 地元のコーミソースというのが結構でている。 また、とんかつソースに代わって、中濃ソースが使われる。 中濃ソースは、中部や関西むけにトンカツソースの濃さを和らげるために開発された商品と聞いたが真実だろうか。

ソースカツ丼の作り方は、種々である。
田島町のある店では、キャベツを敷いてその上にソースをかけ、とんかつにもソースをかけたものがでてきた。 これでは、とんかつ定食と変わるところがない。
しかし、うまい店のは、ソースが違うし、作り方も違う。 野菜などを数種類ブレンドして作った自家製ソースを使っているところもある。また、豚肉は薄く伸ばしたロース肉の方がよいようだ。 厚い肉だとしっくりいかない。
ヒレでは、ぱさぱさになる。 ソースも、ウスターソースでないとさっぱりとしたした味にならないようだ。 ウスターソースにみりんなどで味をつけ、切ったとんかつを入れて味を整える。 キャベツを乗せたごはんの上に、とんかつをのせれば出来上がる。
極めてシンプルなものだが、出来上がりの差はかなり大きい。
我が家では、okanがチャレンジし、今では大変おいしいものができるようになった。 時々作ってもらって、にこにこしながら賞味している。
私は、引き続きソースカツ丼のルーツを探って行きたいと思っている。


  ソースカツ丼(3)

 2003年4月19日

4月18日、高遠の桜を見にでかけた。 帰りの光前寺に寄ろうとして地道を走らせた。 宮田村に入ったら、右手にソースカツ丼のでっかい看板を見る。 つられて中に入る。 メニューには、30年以上の歴史を誇るソースカツ丼とあり、タレは販売してますとある。 早速、注文した。
やがて、出てきたのはソースカツの入ったどんぶりとわかめスープと野菜サラダだった。 とんかつは肉太のひれだった。下に少量のキャベツが敷いてあり、パン粉は少なめのカツにはソースが付いていたが、ソースをかけただけなのか、煮たのか判断はつかなかった。
自家製のソースだったが、甘みもなく野菜の香ばしさをないあまりおいしいとは思えなかった。
肉はうまかったので、卓上にあった普通のソースをかけ、味を調整して食べてしまった。

その後、駒ヶ根市に入り、更に、飯田市に抜けたが、道々、ソースカツ丼の看板を随所で見た。
これだけ、宣伝をしているのだから、南信は、ソースカツ丼に力を入れているを感じることができた。
駒ヶ根高原の施設で、ソースカツ丼のソースを売っていたので、ソースカツ丼が何故多いのかと聞いたところ、『バブルの頃、駒ヶ根市は1村1品運動としてソースカツ丼を取り上げ、全国に発信したのだ。』ということだった。 それまでに、ソースカツ丼が地元にあったのか、その時から始めたのかは分からないとのことだった。
ただ、途中で食べたレストランで表示していた年数からすると、少なくとも30年前から地元にあったのは間違いない。


  ソースカツ丼(4)

 2003年5月11日

片岡鶴太郎の「これが元祖だ!!発見の旅」というテレビ番組を見ていたら、カツ丼の元祖は高畠松太郎という人だと紹介されていた。 明治にドイツに料理修業に行き、帰国後、カツをそのまま客に出したが、食べづらそうだったので、ソースを鰻丼のようにどんぶりに盛ったご飯にかけ、その上にソースに付けたカツを載せてだしたら、好評だったという。 ソースカツ丼がヒントになり、その後、玉子とじをかけるカツ丼が誕生していったのだという。
この元祖の店は、現在2代目と3代目が元祖の味を守り、ソースカツ丼をだしていると紹介されていたが、途中から見たので、残念ながらどこにあるのか確認できなかった。
ただ、カツ丼の第1号には間違いないが、現在のソースカツ丼のように、刻んだキャベツが乗っていなかったので、私が探しているソースカツ丼のルーツは別にあるように思われた。


  ソースカツ丼(5)

 2003年7月30日

先日、YAMASUNから、掲示板に下記のような貴重な情報をいただいた。
          『  「ソースカツ丼」を読みました。
            山梨県や福井県では「カツ丼」と頼むとソースカツ丼がでてきます。
            普通のカツ丼を頼むときには「卵とじカツ丼」「煮カツ丼」と言って頼みます。
            山梨に初めて行ったときは毎日「カツ丼」(ソースカツ丼)を食べていました。』
    という内容でした。 本当にありがとうございました。


  ソースカツ丼(6)

 2003年11月3日

この連休に、北陸在住の方から、”山梨県塩山市でソースカツ丼をいただいた。”という伝言をいただきました
貴重な情報ありがとうございました。
10月31日、長野県駒ヶ根市を訪れました。 その際、インター近くのレストランに入りました。
そこで得た情報を紹介します。
『 昭和3年、駒ヶ根市の食堂の主人が上京したときカツレツを食べた。 帰ってきて作ってみたが、地元の人には食べづらいだろうと、丼ものにした。 それが駒ヶ根のソースカツ丼のルーツである。 』と大きな看板に書いてありました。
また、駒ヶ根市では、ソースカツ丼をメニューにしているところが40軒あり、認定制度になっているとのことである。
各店毎にソースの味に工夫しているということだったが、私が入った店は決して美味いという程のものではなかったのは残念だった。          


  ソースカツ丼(7)

 2004年2月6日

ソースカツ丼についての情報が途絶えていたが、今日、日経のホームページを見ていて参考になる記事を見付けたので紹介する。
『食べ物新日本奇行』というコラムがあるのだが、その中で、食べ物日本地図なるものがあり、その中で、「カツ丼のスタイルは?」というのがあった。
早速クリックすると、@各種ソース味A醤油味Bなしの3分類。
卵とじ風の普通のカツ丼はなしに分類されるようである。
小生が調べた地区は全て入っていた。
以下、北からソース味の割合を書いてみる。 約で5%単位
(東北)ー 宮城(5%)福島(20%)その他の県はない。
(関東)ー 栃木(10%)群馬(60%)埼玉(5%)山梨(80%)新潟(20%)その他の県はない。
(中部)ー 長野(95%)石川(15%)福井(70%)三重(25%)その他の県はない。
(近畿)ー 滋賀(10%)京都(5%)奈良(60%)和歌山(35%)大阪、兵庫は3%程度。
(中国)ー 岡山(70%)広島は数%。 その他の県はない。
(四国)− 愛媛(20%)香川は僅か。 その他の県はない。
(九州)ー 鹿児島(30%)福岡は僅か。 その他の県はない。

なお、新潟県はしょうゆ味が8割、ソース味2割と、ソースか醤油をかけた丼しかないようである。
また、醤油味と答たのは、福井県でソース味7割、醤油味1,5割、なしが1,5割だった。
この調査結果は、地方によりソース味ということではないということが面白い。
天ぷらにソースをかけるという関西地方でも県によりかなりの違いが見られた。   

  ソースカツ丼(8)

 2007年9月17日

今日、香川県の堀剛司さんから、ソースカツ丼の起源について下記のようなメールをいただいた。 

『 こんにちは。  
現在香川県に住んでいるホリと申します。  
「ソースカツ丼」を香川県で食べられるかネットサーフィンしてたらこのページを見つけました。  
ソースカツ丼の起源はどこかといえば、私は断然「福井」と断言します。諸説はいろいろあるようですが、福井の「ヨーロッパ軒」というお店が発祥だと私は信じております。  
このページを開いてからもう数年は経っていることから、あなたもネットで「ソースカツ丼の起源」を何度か調べていることでしょう。  
ソースカツ丼の起源の定説は、早稲田大学生が作ったとありますが、他にも、大正6年にドイツでの料理修行を終えた高畠増太郎という人が、東京の料理発表会で初めて出したといわれています。  
その高畠さんが現在の東京の新宿に店を構え、その後横須賀に移転し、関東大震災後に故郷の福井に帰りヨーロッパ軒を開いたというのです。  
ですから、ソースカツ丼の起源は福井のヨーロッパ軒だと私は信じております。ただし、私が一番大切にしたいことは、「ソースカツ丼の起源はここだ」といって言い争うのではなく、ソースカツ丼の普及を願っているということです。  参考までに一度「ヨーロッパ軒」とネットで検索してみてください。そして、いつか福井へどうぞお越しください。  突然のメールに、一時は迷惑メールかその類だと思われたでしょうが、ここまで読んでくださりありがとうございます。それでは。 』

ソースカツ丼(4)に高畠松太郎が元祖と記していましたが、それが福井のヨーロッパ軒とは知りませんでした。 
貴重な情報ありがとうございました。 

  ソースカツ丼(9)

 2008年5月22日

過日、長浜城と小谷城址を訪問した時、長浜城公園の近くの蕎麦屋で昼飯をとった。 

同行の娘は地元産のそば粉を使ったざる蕎麦を注文し、おいしかったといっていた。  小生は、メニューにソースカツ丼が載っていたので、注文した。 出てきたのは、ソースで味付けたカツの下にキャベツがしかれ、 その下のごはんにもたれがかかっていた。  間違いなく、ソースカツ丼であるが、滋賀県北部でソースカツ丼が食べられると思わなかったので、びっくりした。  メニューに玉子とじのカツ丼がなかったので、これがカツ丼なのだろう。  この地では、カツ丼はこれだけなのか? また、この店はいつからやっているのかを聞かなかったのを後悔している。  関西は味が薄いと思っていたが、そば汁もソースカツ丼のたれも濃厚だったのには驚いた。  


  ソースカツ丼(10)

 2017年11月2日

テレビでソースカツ丼が取り上げられ、ソースカツ丼の発祥とされる福井のヨーロッパ軒が放映された。  一度福井へ行かねばと思っていたが、千葉県船橋市に転居したので、未訪問のままだった。  今回、福井県の城訪問のついでに訪れることができた。 
豚肉の薄いものをカツにしたもので、軽くソースであっさり味付けものをご飯にのせたもの。  これまで食べたもので、一番シンプルだった。 そのため、追加できるソースが用意されていたが・・・ 
関東育ちの小生にはもの足りなかったが、関西圏の福井ではこの味なのだろう。 
店内は訪れた有名人の色紙で一杯だった。 


ソースカツ丼に関する皆様の地区情報がございましたら、ご連絡ください。 お待ちしています!!

貴方の投書をお待ちしています



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