栃木県内の梅雨は20日前後に明けますが、梅雨明け前には凄い雷が発生し、死者を出すこともあります。
特に、”雷都”として有名な宇都宮や今市は、強烈な稲妻とごろごろという音と強い雨との3重奏で、慣れないと驚かれること間違いないです。
奥日光は、梅雨の影響はあまり受けません。
梅雨前線による雲は2000m以下と低いので、中禅寺湖より下のいろは坂付近にかかるからです。 宇都宮市内で降っていても、日光市内ではやんでいるということはけっこうありますし、日光市内で降っていてもいろは坂を登るとやんでいることが多いです。
それはともかく、奥日光は夏休みの始まると、多くのハイカーを迎えます。
小田代ヶ原や戦場ヶ原も、いつの間にか、緑が濃くなり、すっかり夏姿になりました。
小田代ヶ原の象徴といえる”貴婦人(一本の白樺)”もきりっとした表情に変わり、霧の中から現れる姿はまさに絵になります。
以前は鹿が侵入し、アザミや下草が鹿に食べられ、原の花が減って心配でしたが、防御塀により、いろいろな花が戻ってきました。 大変うれしいですね!!
上旬には、アヤメやノハナショウブが満開を迎え、美しいでしょう。
小田代から湯滝にむかう途中、ニッコウキスゲが咲いているのが見られます(量は多くないですが)
泉門池(せんもんいけ)から戦場ヶ原を経由して赤沼に向かう途中では、ハクサンフウロなどの湿地を好む花が見られます。
ハクサンフウロは、7月上旬から8月中旬にかけて、湿原と草原に咲くピンクのかわいい花です。
日光アザミやノアザミそしてホザキシモツケの開花は、小田代ヶ原の夏を演出することでしょう。
また、湯滝にむかう途中にある白樺の緑も高原らしさを感じさせてくれます。
ハイカーの一般的なコースは、@赤沼駐車場〜小田代ヶ原(往復)、A湯の湖〜竜頭滝ですが、湯の湖〜切込湖・刈込湖〜光徳牧場のコースは一度経験して欲しいコースです。
コースのハイライトは、切込湖・刈込湖です。 原始林に囲まれた美しい湖(いうより沼に近い大きさ)で、2つは細い水路で結ばれています。 ここから流れ出る川のない不思議な湖なのですよ!! 静かな水面を見ていると雑念が消えて行きます。
但し、上記2コースと違い、アップダウンのある登山者向きのコースですので、ハイヒールではやめたほうがよいでしょう。
切込湖・刈込湖を抜けると涸沼(からぬま)にでます。 ここは湿地帯が乾いて草原に移行中なのです。 コバイケイソウやヤナギランが見られますが、遊歩道以外は歩けませんので、花に近寄って見ることはできないのは、残念です。
ここから山王峠までのぼりになります。 かなりの急勾配で、途中で息がきれて立ち止まる人を多くみます。
峠に着けば後は下るだけ。 降りた光徳牧場では、うまい牛乳とソフトクリームが待っていますよ!!
ニッコウキスゲは日光の名が付いた花で、霧降高原が有名でしたが、鹿の好物のため、食害にあい、全滅の危機に追いやられました。 その後、地元の地道な再生事業により少しづつ回復してきています。
そうしたことから、柵で仕切られてしまい、昭和30年〜40年ごろのように、自由に歩いて見られないのは残念です。
そのような訳で、ニッコウキスゲが一番よく見えるのは、ロープウエイに乗って見る風景ということになってしまいました。
那須は活火山です。 山の形も日光連山と違い、夏山気分が味わえる場所が多くあります。
手軽に登れるのが、茶臼岳(1918m)です。 那須岳へのゴンドラが一新され、大型化によりあまり待たないで乗れるようになりました。
隣の朝日岳はがれ場もあり、くずれやすいなど、山らしい山なのでハイカーに人気がある山です。
三本槍岳まで縦走するとなると、距離もあり、ややハードになります。
私の子供のころは、大丸温泉までのバスもなく、湯本から大丸温泉まで歩いたので、日帰りでは無理でした。
登山道も整備されて簡単に登れる山になりました。
峠の茶屋の尾根を向こう側に降りますと、三斗小屋温泉があります。
ランプの宿で、まさに秘湯として人気があります。 この時期はハイカーで混むので、入浴時間に制約がありますが、日帰りが可能なので、一風呂浴びてくる手がありますね !!
(詳細は那須の温泉・三斗小屋温泉をご覧ください)
皇太子夫妻が訪問されて、すっかり有名になったのが沼原湿原(ぬまっぱらしつげん)です。
上旬には、ニッコウキスゲが見られます。 日光霧降高原が有名ですが、ここのニッコウキスゲは遊歩道から間近に見ることができるので、私はこちらの方が好きです。
霧が出易い場所なので、霧の中に浮かぶニッコウキスゲの幻想的な風景に出逢えるのもよいです。
また、ヒオウギアヤメやノハナショウブも多く咲いています。
コバイケイソウは中旬からですが、その群落もすばらしいですね。
帰りには、乙女の滝を見て、近くの日帰り温泉で汗を流して帰りましょう。
(詳細は板室温泉をご覧ください)
奥鬼怒は、もともとは鬼怒沼湿原経由で尾瀬沼へ行く途中の山小屋でしたが、このルートを利用する人がいなくなったため、登山道がなくなってしまい、現在は、尾瀬沼へは、行けなくなりました。
奥鬼怒林道はその代わりに造られたものですが、環境保護の動きで通行ができません。
ところが、この山小屋はバブルを期に、設備を温泉旅館並に改善し、奥鬼怒温泉郷として売り出したのです。
その後の秘湯ブームで、テレビ番組に”秘湯の宿”として取り上げられ、当県人気NO1の温泉地に変身しました。
数年前までは秘境にしていた狭い切り立った道路や冬場に崖崩れする危険な個所がありましたが、これを解消するトンネル工事が10年以上にわたって行われた結果、行きやすい場所になったのです。
奥鬼怒温泉郷に入るには、バスで女夫淵温泉まで来るか、車で女夫淵(めおとぶち)まで来ます。
そこから先は、一般車は進入禁止(公営の駐車場があるので、そこに置きます)
但し、駐車場が少ないため、殺到する車がどう処理するのかの問題が残りますが・・・
(詳細はこの付近の温泉をご覧ください)
奥鬼怒温泉に宿泊する人には旅館専用バスが迎えに来てくれますのでそれが利用できます。
日帰り温泉利用の場合は利用できないので、徒歩で約2時間歩くことになります。
春の新緑や秋の紅葉は大変素晴らしいので、車に乗るより歩いた方が断然良いですね(往復は無理の場合でも片道は歩きましょう)
鬼怒川の流れ沿いに、季節季節の風景を楽しみながら歩ける道が整備されています。
それほどのキツイ登りではないので、ゆっくり歩けば良いでしょう。 林間コースなので、夏でも歩きやすいですね。
途中に、カッタテの滝があるのですが、道の改修工事後見づらくなったのは残念です。
鬼怒沼湿原は、一番近い日光沢温泉から片道3時間以上かかりますので、なかなか行けない場所です。 日帰りでは健脚でないとむりでしょう。
この場合、奥鬼怒温泉に泊まる方がよいでしょう。 八丁の湯、加仁湯などありますが、湿原に行くなら一番近い日光沢温泉が良いです。
湿原の7月から10月にかけては、ヒメシャクナゲ、チンクルマ、ヤナギラン、サギスゲ、ワタスゲなどの高山植物が花を咲かせいます。
リュウキンカは特に美しいですね。
烏山町では、7月の第4金・土・日曜日に、國の重要無形民俗文化財に指定されている「山あげ祭」が開催されます。
山あげ祭は、永禄3年(1560)、烏山城主の那須資胤(なすすけたね)が八雲神社に牛頭天王を祀ったのが始めとされ、450年の歴史があります。
江戸時代に、踊りや狂言や歌舞伎が加わり、江戸の終わりには現在の屋台を利用して歌舞伎の演目を演じるというスタイルになったという、歴史的に大変価値のある祭です。
詳細は、”山あげ祭”のページをご覧ください。
全国でもめずらしい野外劇を演じる”山あげ祭”にお出かけになってはいかがですか!!